広報誌「かけはし」

■2017年2月 No.545
 
投稿 言わしてんか!聞いてんか!

●持続可能な社会保険制度へ期待
 

 後期高齢者支援金の総報酬割に続き、合理性を欠く介護納付金の総報酬割と、国の財政(国庫補助金)を助けるための施策に、われわれ健保組合は引きずり込まれているとしか思えない。
 わが国の医療保険制度では、すべての国民はいずれかの公的医療保険に加入することとなっている。大まかに被用者保険、国民健康保険、後期高齢者医療制度があり、全国一律の診療報酬体系、社会保険方式によって社会全体で医療費をまかなっている。
 少子高齢化が進展したわが国の人口構成は、65歳以上の高齢者が総人口の26%である。団塊の世代700万人が後期高齢者となる平成37年(2025年)には65歳以上の人口が30%に増加する。一方で生産年齢人口は減少すると見込まれている。
 現在、75歳以上の1人あたり医療費は93万円だが、高齢化にともなう高齢者医療費の増加により、国民医療費は40兆円から、平成37年には62兆円になると推計されている。
 このことをまず前提に、医療保険制度をどう維持させるのかが課題である。ということで、地域医療構想による適正な医療提供体制と地域包括ケアシステムの推進により、医療と介護の体系的な連携を進め、高齢者が人生の終末期を健康で生きる喜びを見出せるエピローグとすることが医療費を少なくする命題と思う。
 その財政的な基盤はどうなっているのか。保険料と公費と自己負担が基本だが、いつの時代にも「公平」という名のもとに、われわれ健保組合は、あの手この手で財政支援を強要されているとしか思えない。
 全国民が納得できる案を考えていただきたい。とくに医療提供側にも協力をお願いしたい。
 その前に、われわれはしっかりとデータヘルス事業をやり、健康寿命を伸ばそう!
 高齢者が大きな迷惑をかけずに「心の老い」のないエピローグを目ざせるように。

(第1地区 M・K)

   
●健康保険のお仕事
 

 「お前、健康保険の仕事ってどう思う?」
 健保組合に来て間もない20代の頃。50代の先輩がこう問いかけてきました。
 若かった私は正直に「あんまり面白いとは思いませんね。言葉とかも、ややこしいし…」。すると、先輩はニコッと笑って「そやな。でも給料もらって知識が増え、人からも感謝されるような仕事は他にはないぞ。いつかわかる」とおっしゃいました。
 あれから20年。高齢化社会が進んで医療費が高騰し、拠出金負担もどんどん重くなるばかり。健保財政は悪化の一途をたどり、われわれをとりまく環境は決して明るくはありません。
 しかしながら、日々の仕事では、被保険者や被扶養者のために知識を使い、保険給付や保健事業などを通して困っている人たちを助けることができる。先輩の言葉を実感できるようになりました。
 加入者の皆さんからいただく言葉もどれも温かいものばかりです。
 「めんどくさいと思ってたけど、健康診断でがんが早期発見でき、医者にも大丈夫と言われたわ。ありがとう!」
 「入院してすごい医療費にびっくりしたけど、こんな手厚いサポートがあるなんて。知らんかった!」。
 「退職しても、健康保険はずっといまのまま続けたいわ」――などなど。
 いつの間にか私も先輩に近い歳になりましたが、いまこそ言わしてんか!
 「健康保険の仕事はとてもやりがいのある、素晴らしい仕事だ!」。

(第2地区 M・H)

 
●スマホで医療費増えるかも
 

 通勤で目に入ってくる光景は、通路、階段、電車やエレベータの中などの「スマホ片手の人々」。
 ここ数年で若い世代を中心として爆発的に普及したスマホ。いつでもどこでもネットにつながり、他人とコミュニケーションをとったり、ダウンロードしたアプリで音楽やゲームを楽しんだり、さまざまな機能を持つ小型のコンピューターを手放せない人が非常に多くなった。
 このように四六時中スマホをいじる生活は、さまざまな問題を引き起こしている。典型的なのは「歩きスマホ」だ。転倒、接触、衝突などの人身・物損事故につながり、それが原因でトラブルになっているケースは山ほどあるだろう。
 仕事中であっても勉強中であっても、寝ても覚めてもスマホが気になって仕方がない。スマホに触れない時間が続くとイライラしてしまう。こうした「スマホ依存症」は精神的なストレスにつながる。
 ただ、問題なのはそれだけではない。スマホの使用時間が長いということは、目、首、肩、背中、腰を痛め、体内神経の異常な興奮を引き起こし、通院せざるを得なくなる場合もある。
 神経の興奮はカラダの諸器官の働きを損ね、治癒不能の症状により、社会に順応できなくなるといっても過言ではないと思う。
 動物は動いてこそ、生命を快活に維持できるように変化してきた。経済活動の利便性のためや快楽の追及のために、体を静止した状態で作業を長く続けられるように人は進化してきていない。
 スマホの使用を制限しないかぎり、どんなによい治療方法をもってしてもスマホ依存症による文明病は解決できないとさえ思う。
 ただ大人でさえコントロールが難しいスマホの扱い方を、どうやって子供たちに指導すればよいのか。
 みんなが感じているのでは?

(第3地区 ガラ六十)
 

 
投稿規定
「言わしてんか!聞いてんか!」
500字以内。手書き、ワープロ自由。見出しも付けてください。原稿を添削する場合があります。
イラスト、写真も歓迎します。
原則として、投稿者の「所属組合名と実名」を掲載。匿名希望(イニシャル)の場合も、原稿には「所属組合名と実名」を明記してください。
原稿は地区会の広報委員へ送ってください。
問い合わせは、健保連大阪連合会事務局へ。(06-4795-5522)