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厚労省はこのほど、平成26年度の国民医療費をまとめた。総額は、前年度より7461億円(1.9%)増えて40兆8071億円となり、過去最高を記録した。このうち、65歳以上の医療費が58.6%を占めている。傷病別では、「循環器系の疾患」「新生物」の順に多くかかっている。国内総生産(GDP)に対する割合は8.3%で、これも過去最高となった。 |
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国民医療費は、保険診療の対象となる医療費の年間額。保険外である先進医療などの評価療養、差額ベッドや歯科金属材料などの選定療養、正常分娩、健診、予防接種、薬局で販売される一般薬などの費用は含まない。
平成26年度の国民医療費は、前年度より7461億円(1.9%)増えて、40兆8071億円となり、過去最高を記録した。この金額は、同年度の国内総生産(GDP)489兆6234億円の8.3%を占めており、この割合も過去最高となった。
年齢階級別にみると、65歳以上が23兆9066億円で、全体の58.6%を占めている。他の階級は、0〜14歳が2兆4829億円(6.1%)、15〜44歳が5兆2244億円(12.8%)、45〜64歳が9兆1932億円(22.5%)だった。
制度区分別にみると、最も多かったのは医療保険等給付分で、19兆1253億円(全体の46.9%)。以下、後期高齢者医療給付分が13兆3900億円(32.8%)、患者等負担分が5兆659億円(12.4%)、公費負担医療給付分が3兆390億円(7.4%)、軽減特例措置が1869億円(0.5%)となっている。
財源別割合では、保険料が48.7%、公費が38.8%、患者負担等その他が12.5%。おもな診療種類別では、医科(入院・外来)が71.7%、歯科が6.8%、調剤が17.9%だった。医科医療費(29兆2506億円)のうち、傷病別で最も多かったのは循環器系の疾患で、5兆8892億円だった。次いで新生物が3兆9637億円。
人口1人あたりの国民医療費は32万1100円。これを年齢階級別にみると、65歳以上は1人あたり年間72万4400円。最も低い15〜44歳(11万6600円)の6.2倍となっている。
年次推移をみると、国民医療費は平成25年度に40兆円の大台を超えた。30兆円を突破したのが11年度。国民医療費が前年度より減ったのは、この15年間のなかで12、14、18年度の3回だけで、いずれも診療報酬改定が行われた年にあたる。12年度は介護保険制度ができたこともあって、△1.8%と大きな下げ幅を記録した。 |
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「国民医療費」と「概算医療費」 |
厚労省は、26年度国民医療費の公表前に、27年度概算医療費を公表している。概算医療費は、支払基金・国保連経由のレセプトをもとに、医療保険の医療費を推計した速報値。労災医療費、柔道整復療養費などを含まず、国民医療費の約98%に相当している。また、国民医療費は、総務省の「国勢調査」や「人口推計」をもとに、年齢階級別や1人あたり医療費を詳しくまとめている。このように、集計に差があるため、年度が違っている。 |
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