|
(1) |
社保審医療保険部会の審議 |
|
@高額療養費の見直し、A後期高齢者の保険料軽減特例の見直し、B任意継続被保険者制度―等について今後、本格審議が開始される。
@では、70歳以上の負担の引き上げ、および外来の上限特例撤廃が課題。Aでは、国保低所得者の保険料軽減特例を、激変緩和措置を設けて本則にもどす案が示されている。健保連は、これらの案を推進している。
B任継制度について、健保連は、現行の継続加入期間2年を1年程度に短縮すべきと主張している。 |
(2) |
第3期特定健診・保健指導 |
|
「保険者による健診・保健指導等に関する検討会」で検討されている。
特定健診の平成26年度実施率は、保険者全体では48.6%だが、健保組合は単一が74.7%、総合が68.0%で高い。第3期の目標値は、保険者全体では第2期と同様に「70%以上」とする案が示されている。
特定保健指導の実施率の現状は、保険者全体では17.8%、健保組合は単一が21.5%、総合が10.5%。保険者全体での第3期の目標値は、第2期と同様に「45%以上」で検討されている。
ただし、実績値が高い保険者は、より高い目標値を設定し、実施率の低い保険者の目標値に振り分けられる。健保組合の目標値は、健診=単一・90%以上、総合・85%以上。保健指導=単一・55%以上、総合・30%以上という案である。 |
(3) |
医療提供体制に関する考え方 |
|
健保連は、最近の動向を踏まえ医療提供体制の諸課題に関する考え方を整理した。医療・介護の効率的・効果的な提供体制の構築、地域医療計画に沿った病床再編、主治医・かかりつけ薬剤師の機能強化―などである。 |
(4) |
医療費の動向 |
|
27年度の概算医療費は、対前年度比1.5兆円増の41.5兆円となった。伸び率は3.8%増で、直近5年間で最も高い。1.5兆円の増加分のうち、65歳以上の医療費の増加が1.1兆円(3分の2強)を占めている。診療別では、調剤医療費の伸び率が9.4%増で、とくに高かった。
28年3月現在の後発医薬品使用割合(数量ベース)は63.1%。26年度の平均在院日数は28.6日。 |
(5) |
日本健康会議の顕彰制度 |
|
日本健康会議は昨年、「健康なまち・職場づくり宣言2020」として、8項目を採択している。このうち、健保組合に関わるのは、宣言4:健保組合等保険者と連携して健康経営に取り組む企業を500社以上とする、宣言5:協会けんぽ等保険者のサポートを得て健康宣言等に取り組む企業を1万社以上とする―である。
これまで、「健康経営銘柄2016」として25社を選定し、マスコミ等で反響を呼んだ。「2017」では33社とし、新たに健康経営の顕彰制度を設ける。
また、健康経営銘柄選定のためのステップとして「健康経営優良法人ホワイト500」を設ける。 |
(6) |
その他 |
|
健保組合をめぐる最近の情勢として、前記のほかに次の事項が注目されている。
@介護保険制度改革議論のなかで、介護職員の処遇改善を公費で図る見方と、介護報酬引き上げ改定で対応するという見方がある。
A介護納付金の総報酬割の議論が社保審介護保険部会で本格化する。
Bオプジーボ等、高額薬剤の薬価引き下げの議論が、中医協で大詰めを迎えている。 |