広報誌「かけはし」
 

■2016年10月 No.541



 9月14日、定例の理事会を開催し、中央情勢報告を中心議題として審議した。

1. 中央情勢

(1) 安倍改造内閣
   安倍改造内閣が発足した。厚労省関係では、大臣に塩崎恭久氏が留任した。
 副大臣、政務官は次の方がたで、いずれも新任。副大臣=(医療・介護・子育て支援担当)古屋範子氏(衆・公明)、(労働、福祉、年金担当)橋本岳氏(衆・自民)。政務官=(医療・介護・年金担当)馬場政志氏(参・自民)、労働・子育て支援・福祉担当)堀内詔子氏(衆・自民)。
(2) 厚労省の平成29年度概算要求
   総額は、28年度予算対比8108億円増(2.7%増)の31兆1217億円となった。高齢化等にともなう増加額は6400億円で、1年間5000億円増にとどめるとした先の政府目標を1400億円上回った。この額の削減が、年末の予算編成までの課題となっている。
 健保組合助成関係は、28年度対比12億1629万円減の総額450億9593万円。このうち、高齢者医療支援金等負担金助成事業費は、25億6928万円減の約355億7700万円となっている。
(3) 「データヘルス」有識者検討会にワーキンググループ設置
   厚労省の「データヘルス時代の質の高い医療の実現に向けた有識者検討会」にWGが設置された。「審査・支払効率化WG」と「ビッグデータ活用WG」で、健保連からも参画、詳しい検討が行われる。
(4) 中医協が高額薬剤対策を検討
   中医協は、平成30年度診療報酬改定を目途に、高額な薬剤への対応策について、本格的に検討を開始した。
 C型肝炎薬剤など市場等に大きな影響をおよぼす薬剤や、オプジーボなどの薬価検討を急ぐ。来年3月には中間とりまとめを行う予定。
(5) 医療給付実態調査(26年度)
   厚労省が、制度別医療費や疾患の状況をまとめた。おもな内容は、加入者1人あたり年間医療費が、協会けんぽ16.5万円、健保組合・共済組合14.2万円、市町村国保33.2万円。平均年齢が協会36.7歳、組合34.4歳、市町村国保51.5歳。
 健保組合では循環器系疾患や新生物の割合が高く、市町村国保では神経系疾患の割合が高いことがわかった。
(6) 健保組合決算見込(27年度)
   全国1405健保組合の27年度決算は、1278億円の経常黒字の見込み。313組合での保険料率引き上げが影響した。平均保険料率は初めて9%を超え、9.035%となった。赤字組合が651組合あり、全組合の46.3%を占めている(詳細はこちら)。
(7) 高額レセプトの状況(27年度)
   健保連は、27年度高額医療交付金交付事業から、高額レセプトの状況をまとめた。
 1カ月の医療費1000万円以上のレセプトが、前年度より61件増加して361件となり、過去最高を記録した。
 このうち多いのは、循環器系疾患136件、先天性疾患101件、血友病55件、悪性腫瘍21件など。同一人のレセプトで1年間のうち11カ月が1000万円以上という事例もあった。
(8) 社保審介護保険部会の動向
   介護保険制度改正については、年末まで部会で審議、結論を得て、来年の通常国会に法案を提出するという政府方針になっている。
 検討項目のなかで、保険者が納付する介護納付金の算定方法を、総報酬割に変更するという課題がある。
 総報酬割導入によって、健保組合全体として負担増、共済組合も負担増。協会けんぽ、国保、国庫は負担減となる。
 健保連は、「制度の持続可能性を高めるためには、介護給付費の適正化、給付の重点化等を通じて、保険料負担を軽減することが必要」と、総報酬割に断固反対している。
(9) 柔整等療養費の改定
   10月から、「柔整」ならびに「あはき」施術料金が改定される。改定率は平均0.28%の引き上げとなった。
 改定を審議した社保審医療保険部会の専門委員会で、健保連は、柔整療養費の不正除去策の強化、「あはき」への受領委任払い拡大案に断固反対―などを主張した。

2. 本部委員会報告

(1) 大会企画委員会
   8月8日、今年度第1回の委員会が開催された。今年の全国大会は11月29日、東京国際フォーラムでの開催が決定している。スローガンや大会次第など詳細は後日、委員会審議のうえ順次連絡される。

3. 大阪連合会活動

(1) 広報委員会
   広報委員会から、かけはし9月号の編集概要について報告された。
(2) 医療給付委員会
   8月31日、第5回委員会を開催し、マイナンバー制度についての疑問点等の整理を行った。これにもとづき10月19日、研修会を開催する。
 講師は健保連本部・IT推進部。