広報誌「かけはし」

■2016年9月 No.540
 
投稿 言わしてんか!聞いてんか!

●“高い高い”お薬
 

 超高額医薬品について新聞等で目にすることが増えた。いま話題になっているのは「オプジーボ」という薬。
 手元にある薬価基準の本を紐解くと、100mg10ml瓶が72万9849円とある。抗悪性腫瘍剤とある点滴用の静注薬である。当初は悪性黒色皮腫の治療薬であったが、「切除不能な進行・再発非小細胞肺がん」にも適用拡大された。
 標準体重の患者に使うと1年で3500万円かかる計算になるらしい。適応患者5万人として総計1兆7500億円だと。
 もちろん、効く場合と効かない場合があるし、効くか効かないか使ってみないとわからない。そして、効いても効かなくても、その止め時がわからない。延々とこの高額な薬が使われ続けることもあり得るということだ。
 「オプジーボ」は、少なくとも奏効率20%前後であるという。今後はもっと、さまざまな難病に効果のある医薬品が開発されるであろう。
 もしもの話だが、1日1回の点滴を1年間使い続ければ、どんながんもたちどころに消滅するという夢のような薬が出たとしよう。よく効くが、1本1000万円だとしたら。1年で36億5000万円。そのがんを患う人が、別の治療を受け、結局助からなかったとした場合の医療費をここで比べるのは、健康保険人として誤った考え方なのだろうか。
 私には答えがでない。

(第4地区 アモーレ)

   
●「傷病手当金」は健保の本来業務?
 

 健保の給付のなかに傷病手当金がありますが、休職者や退職者になぜ健保組合が所得補償をしなければならないのかがよくわかりません。
 そもそも所得補償は、国とか事業主が行うのが筋ではないでしょうか。
 幸い当健保組合の母体事業所では、業務外の傷病による欠勤は、勤続年数にもよりますが、勤続20年以上であれば36カ月は欠勤でも有給休暇(最短で勤続3年未満者の欠勤は6カ月間の有給期間)扱いとなっています。傷病手当金はその後、無給期間になってからの申請となるので傷病手当金支給の事例は少ないのですが、こういう制度があるのとないのでは、健保組合の負担は大きく異なります。
 また、健保組合の方で傷病手当金という所得補償があるのならば、企業は、せっかくある制度を廃止にして健保組合でお願いということになるかもしれません。
 聞くところによると、メンタル関係での傷病手当金の支給が近年増えているといいます。なかには、巧みに傷病名などを変えて繰り返し利用する人や、退職前に傷病手当金を申請する人が多い企業もあるらしいのですが、なにか納得できないものがあります。
 なおかつ健保組合のなかには、傷病手当金に付加給付を付けているところもありますが、どこまで健保組合は人がいいのでしょうか。

(第5地区 K・N)

 
●健康とは…
 

 健康保険組合に配属になって1年が過ぎました。病気やケガの話がでるたびに、身体のことを心配しつつ、高額な医療費の請求がきたらどないしようかと、支払基金から毎月送られてくる診療報酬明細書をみて、一喜一憂する日々を過ごしています。
 そんなとき、皆が健康であればいいのになぁと、ふと、昔教わった健康の定義のことを思い出しました。
 保健体育の授業で覚えさせられたのが、「健康とは、身体的、精神的そして社会的に完全に良好な状態にあることで、単に病気でないとか虚弱でないということではない」という健康の定義でした。
 (いまは、変わってきているのかもしれません。)
 病気をしたことがない人や、血液検査等の数値がよい人は、身体的には問題がないかもしれませんが、職場や地域社会で充実した生活を送れていない場合は、社会的・精神的にみて健康とはいえず、身体面に悪い影響を与えることになると思います。
 「身体的」「精神的」「社会的」―。この3つの要素はお互いに関係性があり、適度なバランスが取れていることが重要なのではないでしょうか。私も健康でいられるように、日々の生活に気をつけていきたいと思います。

(第6地区 K・J)
 

 
投稿規定
「言わしてんか!聞いてんか!」
500字以内。手書き、ワープロ自由。見出しも付けてください。原稿を添削する場合があります。
イラスト、写真も歓迎します。
原則として、投稿者の「所属組合名と実名」を掲載。匿名希望(イニシャル)の場合も、原稿には「所属組合名と実名」を明記してください。
原稿は地区会の広報委員へ送ってください。
問い合わせは、健保連大阪連合会事務局へ。(06-4795-5522)