広報誌「かけはし」
 

■2016年6月 No.537



 5月18日、定例の理事会を開催し、中央情勢報告を中心議題として審議した。会議の始めに、出席者の交代があった理事組合(サントリー)の紹介があった。

1. 中央情勢

(1) 地域医療構想案に対する意見
   厚労省は、12府県の保険者協議会から3月末までに提出された意見をまとめ、保険者協議会中央連絡会で報告した。
 地域ごとの病床数などについて「目標値を明確にすべき」としたのが共通意見だった。大阪からは、「成果指標の設定は、医療保険者の意見も集約しつつ、地域の実情、住民の医療ニーズを踏まえたものにすること」などの意見があった。
(2) 個人のインセンティブに関するガイドライン(案)
   厚労省の「保険者による健診・保健指導に関する検討会」は、「個人にインセンティブを提供する取組に係るガイドライン(案)」をまとめた。近く正式に公表される。
 ガイドラインは、取り組みの基本的考え方や具体的な実施方法などを列記した。
 また、取り組みは義務化ではなく、実施による個人の保険料変更には否定的。
 一方、受診抑制につながらないように、とする医療関係者の意見もある。
(3) 質の高い医療の実現に向けた有識者検討会が発足
   4月25日に初会合が開かれた。大学教授、研究者、医療関係者などがメンバーになっている。
 データヘルス時代の保険者機能強化と医療の質の向上や、審査の効率化・統一化の推進、組織体制について今後議論する。支払基金の体制や、診療報酬の審査のあり方は、ゼロベースでの見直しが求められている。
(4) 要求実現活動イベント
   国会議員を招いた健保連の要求実現活動イベントが、3〜4月にかけて次のとおり各地で開催された。
 ▽名古屋=3月27日、名古屋市・CBCホールで開催。三重・愛知連合会主催、CBCラジオ共催。一般と健保関係者300人参加。
 ▽大阪=3月28日、大阪市・ホテルモントレ大阪で開催。大阪連合会主催。健保関係者260人参加。
 ▽岐阜=4月2日、岐阜市・じゅうろくプラザで開催。岐阜連合会主催、岐阜新聞・岐阜放送共催。一般と健保関係者470人参加。
 今後、9月の岡山のほか、全国各地で開催を予定。

(5)

中医協が高額医薬品等を検討
   中医協は、先の診療報酬改定で決まった「費用対効果評価の試行的導入」に関する対象品目を検討している。
 対象は、平成24〜27年に保険適用されたC型慢性肝炎薬など、医薬品7品目と、医療機器5品目。今後、評価の手続きが進められる。

(6)

熊本地震対策で緊急要請
   健保連は協会けんぽと連名で、厚労大臣あてに熊本地震対策に関する緊急要望書を提出した。
 被災地の保険者は、被災者支援のため一部負担金の減免措置等を行っている。そうした保険者に対して、国に適切な財政支援を行うよう求めている。
(7) 日本健康会議の状況
   日本健康会議は昨年7月に発足。健康なまち・職場づくり宣言2020として、8項目を宣言した。同会議はこのほど、取り組みの進捗状況等をまとめた。
 これまでに、健康経営に優れた企業を健康経営銘柄として25社選定するなどの活動を行っている。
 医療保険者向けに、「個人にインセンティブを提供する取扱事例集」も作成中である。
(8) 保険者による健診・保健指導等に関する検討会報告
   特定健診制度が始まった平成20年度を基点に、保健指導を受けた人とそうでない人の特定健診検査値を、5年間追跡分析した。
 その結果、両者を比較して、保健指導を受けた人の検査値の改善効果が顕著だったと確認された。
 後期高齢者支援金の加算・減算対象保険者についても報告された。加算=25年度115健保組合、6700万円、26年度105組合、5900万円。減算=25年度148組合、6500万円、26年度89組合、3500万円。

2. 大阪連合会活動

(1) 各委員会報告
   4月に開催された組合業務、医療給付、保健共同事業の各委員会から、今後の事業予定等の報告があった。広報委員会から、かけはし5月号の編集概要の報告があった。
(2) 報告事項
   川隅専務理事から、28年度健保組合(大阪)予算概要について報告された(概要についてはこちら)。