広報誌「かけはし」
 

■2016年6月 No.537



 健保連大阪連合会管内の健保組合の平成28年度予算概要が、このほどまとまった。166健保組合合計の経常収支は、215億円の赤字。前年度予算と比べて、赤字額は44億円増え、組合全体の3分の2(110組合)が赤字となっている。20組合が保険料率を引き上げ、平均保険料率は0.044ポイント上昇して9.194%となった。実質保険料率も上昇、9.549%となった。

 大阪連合会管内166健保組合の平成28年度予算概要をみると、経常収入8574億円、経常支出8789億円で、経常収支は差引215億円の赤字となった。
 27年度予算と比較すると、経常収支赤字額は44億円増加した。経常収入が0.88%の増加にとどまったのに対して、経常支出が1.38%増加したため。組合別にみると、経常収支赤字の組合は110組合で、全体の3分の2を占めた。
 保険料収入は8368億円で対前年度比1.02%の増加。これに対して、法定給付費は4493億円で1.75%の増加となっている。
 支援金・納付金等の総額は3533億円で、0.80%の増加。内訳は、後期高齢者支援金と老人保健拠出金の合計が0.67%増の1799億円、前期高齢者納付金と退職者給付拠出金の合計が0.92%増の1734億円となっている。
 調整保険料率を含んだ平均保険料率は、対前年度比0.044ポイント上昇して9.194%となった。保険料率を引き上げたのは20組合で、平均引き上げ率は0.700%と、高い水準を示している。
 協会けんぽの平均保険料率(10.00%)以上の料率の組合は44組合(全組合の26.51%)となっている。この割合は、全国平均(21.37%)よりはるかに高く、大阪の健保組合の苦しい実態を示している。なかには、11%以上を賦課する組合が3組合あった。
 実質保険料率は9.549%で、財政状況は前年度(9.514%)より悪化し、協会けんぽの平均賦課料率に近づいた。
 保険料収入に対する支援金・納付金等の割合は42.22%で、いぜん40%の大台を超えている。この割合別の組合数をみると、50%以上を支援金・納付金に充てざるをえない組合が37組合(22.29%)あり、なかには70%以上という組合が2組合あった。
 支援金・納付金等と法定給付費を合わせた、いわゆる義務的経費の保険料収入に対する割合は、95.90%。保険料収入のほとんどが義務的経費を賄うために支出される。「予算概要」は、健保組合の危機的な財政状況が続いていることを示している。

おもな適用状況

おもな収支状況