広報誌「かけはし」

■2016年6月 No.537
健保問答 

第 428 回

     
Q
   社員を海外の関係会社へ3年間、派遣することになりました。赴任先での医療保険の扱いはどうなりますか。

A
   日本の会社との雇用契約が継続していれば、国内の被保険者資格は喪失しません。医療機関の窓口でいったん全額を支払う必要がありますが、診療明細書やパスポート写しなどの渡航証明書類(平成28年度から義務付け)等を添えて健保組合に請求すれば、自己負担分を除く金額が海外療養費として払い戻されます。
 ただ、海外療養費は、日本の診療報酬点数に換算して計算されるので、医療費水準が高い国だと、自己負担が大きくなりますし、日本で保険が適用されない治療もカバーされません。従業員が現地で安定的に医療を受けられるようにするには、民間の海外旅行傷害保険にも加入しておく方法があります。
 医療保険制度は国によって異なり、現地の制度に強制加入となる赴任先もあれば、外国人加入に制限がある場合もあります。いずれにしろ、現地の医療事情を確認し、最適な方法を組み合わせるのが望ましいと考えられます。