広報誌「かけはし」

■2016年2月 No.533
 
投稿 言わしてんか!聞いてんか!

●家族による高齢者介護を思う
 

 当健保組合も高齢者医療費負担の波に直面し、拠出金対応のために、ついに今年度、保険料率を8%から10%に引き上げたところである。
 さて、社会全体でみると、高齢者に関しては、医療費問題に加えて、介護をどのようにして家族が担っていくのかという、極めて重い課題が立ちふさがっている。
 昨今、テレビ番組等で、この問題提起がよくみられ、20歳ぐらいの孫(女性)が祖母の介護をしながら生活する、という過酷な事例もあった。
 私も常時介護とまではいかなかったが、昨年の夏まで、2年間ほど田舎の兄の事情で、90歳の母親を引きとって同居した。
 年齢に加え、居住環境が変わったストレスも影響してか、当初は心配なかった下の世話も、ときおり必要な状況となった。
 現在、母親は自宅にもどり、精神的にも安定したのか、幸いその心配をかけることもなく、福祉施設のデイサービスに通うのを楽しみに日々を送っているようである。
 私の場合は、母親の下の世話をすることもそれほど多くはなかったが、毎日、何年も続けた場合のストレスの過重さを身にしみて実感した。
 想像するだけで心が病みそうになる。家族による高齢者介護の問題・課題を痛感した次第である。

(第1地区 T・K)

   
●これでいいのかマイナンバー
 

 昨年末のある日、娘から「うちのマイナンバーって来たん?」と聞かれた。
 「先週ようやく来たで。何で?」と理由を聞くと、「あんな、バイト先からマイナンバー報告せえへんと、バイト代支給せえへんってメールが入ってんねん。報告してええの?」と娘。
 「あかんことないけど、年内に貰う分はまだ番号いらんはずやけどな。どうしても報告せなあかんのやったら、番号使用の目的、誰が番号取り扱うか、誰が番号管理するのかちゃんと聞いときや」と、私の薄っぺらな知識で助言した。
 数日後、「この間のマイナンバーの件やけど、バイト先から返事あったか?」と娘に聞くと、「なんかな。経理に人が二人おって、そのうちの一人が番号管理するんやて」。それを聞いて絶句してしまった。
 なぜなら、私が携わる健保の業務では、規約や規程でマイナンバーの取り扱いをがんじがらめにされているのに、片一方ではメール一つで「報告してや」の世界である。
 健保では、予算組合会に向け、マイナンバーの取り扱いに関する諸規程を整備している最中だったので、余計にギャップを感じずにはいられなかった。世間では今年1月から本格的にマイナンバーの取り扱いが始まったが、マイナンバーが一人歩きしないことを祈るばかりである。

(第2地区 A・M)

 
●予測ができる制度に!
 

 予算の時期がやってきました。
 平成28年度予算では別途積立金がほぼ底をついてきており、26年度から数億円増加した高齢者医療拠出金(とくに前期高齢者納付金)が高止まりするなか、大幅な保険料率アップをせざるを得ない状況にあります。
 当健保では、26年度において前期高齢者納付金だけで一気に数億円上がり、後期高齢者支援金の総報酬割へのシフトも行われていくなか、保険料収入に対する拠出金の割合は80%弱、その半分以上は前期高齢者納付金です。
 前期高齢者の加入率は約1%で人数も少なく、前期高齢者のわずか数人に高額医療が発生すると、納付金は億単位で増加してしまうのが現状です。
 26年の人口推計によれば、国民の4分の1が65歳以上。今後ますます高齢者の割合が大きくなっていきます。
 国民皆保険である以上、ある程度現役が高齢者医療費を負担しないといけないのはわかります。しかし、とくに前期高齢者納付金は度を越す財政調整であり、そのために納付金が激増し、毎年の変動額も大きく、保険料率アップを検討するにしても、まともに今後の財政見通しがつきません。
 高齢者医療制度、とりわけ前期高齢者医療の仕組みを根本的に見直していただきたいと切に願います。また、現制度においては、せめて公費投入、負担額に上限を設けるなどの対応をしていただかないと、健保組合としては持ちこたえるのも限界になっています。

(第3地区 M・Y)
 

 
投稿規定
「言わしてんか!聞いてんか!」
500字以内。手書き、ワープロ自由。見出しも付けてください。原稿を添削する場合があります。
イラスト、写真も歓迎します。
原則として、投稿者の「所属組合名と実名」を掲載。匿名希望(イニシャル)の場合も、原稿には「所属組合名と実名」を明記してください。
原稿は地区会の広報委員へ送ってください。
問い合わせは、健保連大阪連合会事務局へ。(06-4795-5522)