広報誌「かけはし」

■2014年10月 No.517
 
投稿 言わしてんか!聞いてんか!

●「データヘルス計画」に期待する
 

 健保組合に異動して約3年半経過しました。この3年半だけでも、健保組合を取り巻く情勢は大きく動いていると感じます。
 現在のホットな話題は、なんといっても「データヘルス計画」でしょう。健保組合によっては、「ただでさえ財政が厳しいし、人手もないのに、勘弁してほしい」というような声を聞くことがあります。
 確かにたいへんな面はあるのですが、「レセプトデータや健診データを分析して、保健事業をPDCAサイクルで実施する」というデータヘルスの基本的な考え方には、だれも異論はないと思います。
 むしろ従来の保健事業では、とくに実施後の評価や効果検証が不足していたかもしれないなと感じます。私たち自身も発想の転換が必要であり、いままで経験的・感覚的につかんでいた自健保の現状・課題をデータで確認し、的確に理解することは重要だと思っています。
 また、事業主や関心の薄い加入者が健保の方に向いてもらうためにも、データを活用した説得力あるアプローチは有効だと思います。
 より効率的・効果的に保健事業を推進することで、ひいては、加入者の健康増進と将来的な医療費適正化につながることが期待できます。「データヘルス計画」を一種の「起爆剤」としてうまく活用していきたいなと思います。

(第1地区 I・M)

   
●救護の現場から学ぶ
 

 この夏、故あって、某社が主催する某全国球技大会の救護室運営に携わりました。業務の内容は競技球場に臨時の救護室を設営し、大会に参加する選手、応援の生徒達、観客の応急救護です。
 なにしろ真夏の大会。10 日以上の大会期間を通じ、競技中のケガよりも、次々と担架や車椅子で運ばれてくる気分不良や熱中症の方の処置に追われました。医師、看護師のスタッフが応急手当を施し、室内のベッドで様子を見てもらって、重症の方は病院へ救急搬送します。
 今大会は暑さがそれほど厳しくもなく、例年ほどの救護者は出ませんでした。それでも集中時はまさに野戦病院。10床ほどのベッドがすべてふさがり、長椅子も使って救護しなければなりませんでした。
 日頃は健康保険の事務と慢性疾患・生活習慣病の対策、改善指導など、保健事業の業務が主ですが、救急の現場に立ち会う、新鮮な体験ができました。
 とくに感じたのは医療、そして医師、看護師の存在のありがたさです。適切な診断と処置、看護で、大事に至るのを防ぎます。元気を取り戻した方から、お礼の言葉をいただき、大きな喜びを味わいました。
 健保組合の仕事は一人ひとりの健康な生活を守ることです。日常業務で、ともすれば見えなくなる仕事の大切さとやりがいを、改めて実感しました。保険者機能を有効に働かせ、同じ感動を味わえるように、これからも地味な業務に刻苦勉励、精進する覚悟を新たにしました。

(第2地区 S・M)

 
●親の被扶養者認定の難しさ
 

 健保組合の適用係を担当して2年になります。最近、健保組合と被保険者の間の、被扶養者認定基準の認識の違いが大きいなぁと思うことがあります。
 被保険者からの「いままで父に扶養されていた母を、父が後期高齢者医療制度に移行するため、被扶養者から外さないといけないので自分の扶養に入れたい」という問い合わせについては、次の2点が認定のポイントになります。
@母の主たる生計維持者はだれなのか?
A当該世帯の生計の状況を総合的に勘案して、被保険者がその世帯の生計維持の中心的役割を果たしているのか?
 生計維持申告書等を提出してもらい、被保険者の収入によって母の生計が維持されていることが確認できれば認定可能です。しかし、従来通り父の収入によって生計が維持されていて、現時点では被保険者から母に対する経済的な支援の実績がない場合は、「主としてその被保険者により生計を維持するもの」の要件を満たしていないため否認と考えられます。
 年間の収入基準さえ満たしていれば、認定してもらえると考えている被保険者の方に説明して理解していただくのに悪戦苦闘しています。

(第3地区 M・M)
 

 
投稿規定
「言わしてんか!聞いてんか!」
500字以内。手書き、ワープロ自由。見出しも付けてください。原稿を添削する場合があります。
イラスト、写真も歓迎します。
原則として、投稿者の「所属組合名と実名」を掲載。匿名希望(イニシャル)の場合も、原稿には「所属組合名と実名」を明記してください。
原稿は地区会の広報委員へ送ってください。
問い合わせは、健保連大阪連合会事務局へ。(06-4795-5522)