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被用者保険関係5団体の要望 |
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健保連など被用者保険5団体が厚労大臣へ要望書を提出したことが、5月19日の社保審医療保険部会で報告された。
ポイントは、75歳以上の医療費への公費5割の実質確保、前期高齢者の財政調整の仕組みを見直し、公費投入を行うべきである。さらに、現役世代の拠出金負担に上限を設定し、負担増に歯止めを設ける―などとしている。 |
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健保組合の財政状況 |
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同医療保険部会において、健保連は健保組合の財政状況について説明した。
健保組合の実質保険料率は9.632%で、10%に近い。高齢者医療制度の導入後、7年連続で3000〜5000億円の赤字が続いている。7年前と比較すると、平均標準報酬・標準賞与は100%に戻っていない。反面、保険給付費は120%、支援金・納付金等は144%になっている。拠出金が保険料収入の45%を超えている組合は、全体の約6割である。
最大の課題は、国保や協会けんぽにあるのではなく、高齢者医療を支える医療保険制度全体が疲弊していることである。この国民的な課題を、徹底して議論しなければならない。
健保連は、後期高齢者支援金に対する全面総報酬割は公費拡充とセットで議論されるべき。前期高齢者の財政調整の見直し―などを主張している。 |
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日本経団連の医療保険制度改革に関する要望 |
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日本経団連が医療保険部会で説明している。内容は、プログラム法に記された改革方針では十分でない、際限なき保険料負担増の抑制策として、早急に高齢者医療制度の見直しに向けた議論を開始すべきとしている。
また、前期高齢者の部分も含め、高齢者医療給付へ税投入の拡大を図るべき、前期高齢者にかかる財政調整の問題点を見直すべき―などを求めている。 |
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保険外併用療養費制度の見直し |
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安倍総理大臣の成長戦略の一つであり、規制改革として容認するとの議論がある。 |
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あしたの健保プロジェクト |
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4月の消費税引き上げ分は、関心の高い年金関係に多く回ったが、健保関係は世論になりにくいのが実情である。
そうしたなかで、世論喚起の一つの手段として、健保連では「あしたの健保プロジェクト」を立ち上げた。
webサイトを特設して、健保組合の加入者にサイトを説明し、賛同の声を集めていきたいとした。 |
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データヘルス計画推進会議 |
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平成27年度の本格始動に向けて、26年度中に健保組合が実施する計画作成のための普及啓発事業を推進する。
推進会議の主な検討テーマは、ガイドラインの作成、モデル計画のフォローアップ、(事業主と保険者の協力による)コラボヘルス推進に向けた対応―などである。 |