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●増加するメンタル疾患と傷病手当金の支給 |
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近年、メンタル面の疾病による傷病手当金の支給が増加の一途をたどっています。なぜなのか? よく考えさせられます。
入社後、半年もたたない間に傷病手当金の請求や、支給開始後すぐに退職となるケースもある。退職後であっても、要件さえ満たせば、1年6カ月の限度まで支給することがほとんどです。そこまで傷病手当金は手厚く、役割は大きいのですが、支給が満了しても社会復帰が困難なのがこの疾病の現状です。
原因としては、核家族化、社会生活になじめない人が増え、常に不安を持ち、心身ともに、極限に達している人が多いのではないでしょうか。
また、日常生活には支障がなく、会社に行くことにより症状がでることが多く、労務不能の判断も難しい。
一方、事業所では、メンタル疾患を発生させないよう、研修等を含め健康で働きやすい職場改善に努めているとは思いますが、傷病手当金の請求時には、仕事上のストレスが原因と記載されているケースが多く見受けられます。
保険者としては、業務上・外について悩みはつきません。最終的な認定判断は、労働基準監督署にありますが、認定されるのは、まだまだレアケースのようです。
ともあれ、メンタル疾患と傷病手当金の取り扱いについては、見直しが必要と考えます。
(第4地区 K・N) |
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●希望の明日 |
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2XXX年。人類は、ついに不老不死を手に入れた。iPS細胞が実用化され、古い臓器は次々と取り替えられ、死からも老化現象からも解放された。
街ゆく人は皆、若々しく、美しい。たまにみかける頭髪の薄い男性は、おしゃれのために古い頭皮を残したダンディーさんである。生殖器官も取り替え可能のため、いくつになっても子をなすことができる。曾祖父と、ひ孫が小学校の父兄参観日に鉢合わせするなど珍しいことではない。
かつて、この国が少子高齢化に悩んだことなど、もはや誰も覚えていない。いまは多子高齢化の世の中なのである。
かくいう私も325歳で、ついこの間、勤続300年表彰を受けたばかりである。子供はこの300年の間に83人もうけて、妻と85人家族である。当然まだまだ現役世代である。
また、「『現役世代2人で高齢者世代1人を背負わなければならなくなる』と心配したことがあった」と歴史の授業では教えている。いまはいくつになっても現役で死ぬまで働かねばならない。残念ながら、いつ死ねるかといえば、それはなかなか難しい。
「寿命」という言葉は、はるか昔に死語となった。「死語」という言葉も昨今、意味不明といわれている。私も280年健保組合の常務理事をしている。「生涯現役」。すばらしい言葉だが、こう長びくと、少々辛くなってきた。
年金問題も高齢者医療の問題もない。皆若く元気で美しい。恋に仕事に忙しい。まるで夢のようなすばらしい世の中。ただし、地球上は、いたるところ人、また人でなんとも息苦しい。
息苦しさのあまり、もがいたところで目が覚めた。机上には、高齢者医療納付金等の通知書。あまりの金額に気を失ったようである。気を取り直して、仕事、仕事。
(第5地区 Y・N) |
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●「なんで?」と思うこと |
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健保連大阪所属の健保組合の拠出金等の比率は、25年度予算で保険料収入の46.5%を占めたとのことであった。今回の消費税改定で、前期高齢者納付金にも公費投入を期待していたが実現せず、「なんで?」との思いは解消しそうにない。
江戸時代初期の農民は、「五公五民」「六公四民」の言葉どおり、収穫の半分以上を年貢として取られ、困窮する状態であった。
その後、戦もなくなり人々は生活向上のために働くようになった。為政者も米の増産を望み、新田開発や生産手段の改良とあいまって、米の収穫は飛躍的に上昇した。年貢徴収の基礎となる「検地」もなかったため、実質年貢率は3割以下に下がった。
いまの健保組合より実質的に低い負担率が実現したが、われわれには取り崩せる積立金も底を尽き、国に「新田開発」を期待するしかすべがない。
もう1つの「なんで?」は、データヘルス計画である。特定健診データ・医療情報(レセプト)を電子的に保有している健保組合に、レセプト等のデータ分析、それに基づく加入者の健康保持増進のための計画の作成・公表、事業実施、評価等の取り組みを求める、というものである。
国として、増え続ける国民医療費対策が重要課題であることは十分理解している。しかし、電子レセから機械的に取得できるデータは、傷病名と投薬・注射・処置・手術等の関連づけがされていない生データであり、その充足度が高まったからといって、分析に使うとしても限度があろう。
また、データの不備を補うために人手が介入するのであれば、信憑性も疑わしいものとなる。そろそろ国には、データのあり方を体系的に整理する方策を検討願いたい。
(第6地区 K・N)
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投稿規定
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「言わしてんか!聞いてんか!」
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500字以内。手書き、ワープロ自由。見出しも付けてください。原稿を添削する場合があります。 |
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イラスト、写真も歓迎します。 |
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原則として、投稿者の「所属組合名と実名」を掲載。匿名希望(イニシャル)の場合も、原稿には「所属組合名と実名」を明記してください。 |
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原稿は地区会の広報委員へ送ってください。 |
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問い合わせは、健保連大阪連合会事務局へ。(06-4795-5522) |
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