広報誌「かけはし」

■2014年3月 No.510


 2月12日、定例の理事会を開催し、中央情勢報告を中心議題として審議した。

1. 中央情勢

(1) 診療報酬改定
   中医協は、診療報酬改定を厚労大臣に答申した。懸案の初・再診料については、公益裁定の結果、初診料プラス12点、再診料プラス3点となった。
 今回の改定で支払側として評価できる点は、看護配置7対1病棟機能等の見直し、主治医機能の推進、薬価引き下げ分を診療報酬本体に上乗せしなかったこと―などである。
(2) 高額療養費制度の見直し
   高額療養費は、現状では70歳未満で3段階に分かれている。この区分を、上位所得者で2区分、一般所得者も2区分、住民税非課税者の区分は従来どおりという5区分に見直す。70〜74歳までの区分には変更がない。平成27年1月実施の予定である。
(3) 国保基盤強化協議会
   社会保障制度改革国民会議報告書を踏まえた、国保制度のあり方を含む医療保険制度改革は、平成27年の通常国会に法律案提出を目指すとされている。国保の財政構造問題等を協議するため、国と地方の参画による国保基盤強化協議会が再開される。
(4) 保険者協議会
   保険者協議会は健保組合、国保等、医療保険者代表が集う会合である。
 今般、社会保障審議会医療部会で、「地域医療ビジョンの実現」に必要な措置として、都道府県が医療計画を策定する際に保険者協議会の意見を聞く案が示された。
 保険者協議会が担う業務を医療法上、明確に位置づける。地域医療ビジョンの策定とあわせて法改正を行い、平成27年度に施行予定としている。
(5) 健保組合の拠出金等
   25年度賦課ベースの後期高齢者支援金は1兆5800億円、26年度予算ベースでは200億円増の1兆6000億円である。前期高齢者納付金、退職者医療拠出金の計は、両年度ともに1兆7000億円である。23年度からの推移では、毎年、拠出金等は増加しているが、増加率は鈍化傾向にある。
(6) 当面の対応
   来年10月予定の消費税率2%引き上げ時における、前期高齢者医療への公費投入にかかる財源確保に向けた活動、来年3月末で終了する後期高齢者支援金総報酬割の延長措置に関する対応、会員組合の厳しい財政運営に起因する解散組合増の懸念等から、26年度は健保組合、皆保険制度の維持において重要な年となる。
 正念場の1年、効果を十分に考えて一層強力な活動を展開する。
 国会議員に対する要請活動、経団連等関係団体に対する活動、広報活動、団結力の強化活動など、要求実現に向けた活動を展開する。
 医療保険部会では、26年12月までに後期高齢者支援金の全面総報酬割、高齢者医療の費用負担のあり方等を取りまとめるとされており、それに対して健保連の主張実現を求めていく。
(7) 社会保障・税番号制度導入に向けての要望
   マイナンバー導入に向けての要望として、健保連は厚労省に要望書を提出した。
 提示された番号利用の範囲では、健保組合にとって、制度導入によるメリットが乏しい。その半面、事務面・財政面での負担増が懸念される。初期費用は予算措置されるというが、維持費用等にも配慮願いたいとしている。
 各保険者の情報提供ネットワークへの接続形態で、健保連が健保組合の取りまとめ役として中間サーバーを集約する案がある。しかし、技術面、費用面で課題が多く、再考願うとしている。
(8) 医療費の動向
   医療費は増加する一方だが、24年度は増加率が鈍化している。24年度では、65歳以上の医療費が全体の約60%を占めている。
(9) その他
   23年度の特定健康診査等の実施状況と、24年度の保険医療機関等の指導・監査実施状況について報告があった。
 指導・監査の実施状況では、個別指導が4302件で、前年度より347件増加している。保険医療機関等の指定取り消し等は72件である。取り消し等の特徴は、不正請求がほとんどを占めている。返還金額は約130億4000万円となっている。

2. 本部委員会報告

(1) 大会企画委員会
   昨年の全国大会の総括を行った。当日の出席状況は3475名で、前年度より102名増加した。大会全体の構成は、時間配分など進行はよかったが、もっと工夫しなければとの厳しい評価もあった。

3. 大阪連合会活動

(1) 広報委員会
   かけはし2月号の編集概要の報告があった。