広報誌「かけはし」
 
■2014年2月 No.509
投稿 言わしてんか!聞いてんか!
   
●「データヘルス計画」に思うこと
 

  「データヘルス」、この言葉を耳にしたとき、「特定保健指導」の実施率が伸びないのと同じように、財政の厳しい健保組合では着手困難で、たぶん定着しないのではないかという消極的な考えをもちました。
 当健保の医療費はこの3年間、毎年わずかずつ減少が続いていましたが、本年度は急激な増加に転じてしまいました。突発的な疾病による高額医療費の発生が原因であることがわかりました。早期に手が打てなかったのかという思いが残りました。
 あらためて個人別の疾病や服薬状況、健診結果との関連などを把握することの大切さを感じた次第です。
 正直なところ、「データヘルス」の詳細はいまだ理解できていません。しかし、レセプトと健診結果とを突き合わせて課題を明らかにし、それを解決する事業を展開することの重要性は理解できます。
 データ分析、効果の評価方法など、具体的な計画作成や実施には多くの困難があると思います。けれども、事業主の協力も得て、加入者の「健康づくり」を進め、成果を出して健保組合の存在意義を示したい。そのように考えています。

(第1地区 A・I)

   
●被保険者の一人として
 

 健保組合の「健診センター」に勤める私も毎年、定期健康診断を受けている。これまで病気も見つからず、こうして働いていられるのはとても幸せ――と常々、思っている。
 ある健診でのことだ。受診者が血圧や血液検査の結果を話し合う声が聞こえてきた。「病気になったら、そのとき、病院に行ったらええねん!」「別に症状も出てないし、大丈夫や」。
 そんな話を何度、聞かされたことだろう。健康に対する意識の、あまりの低さに驚かされる。私も被保険者の一人。自己管理をしようともしない人たちに大切な保険料が使われると思うと、腹立たしいやら、悲しいやら。
 生活習慣病の重症化予防に、特定保健指導も始まった。だが、利用する人はごく一部だ。参加率のノルマを達成するのが目的ではない。本人はもちろんだが、事業所も趣旨を理解し、従業員の健康を守ることが、どれほど重要か、事業所にプラスになるのか――をいま一度、よく考えてほしい。
 健保組合は被保険者の健康を第一に考えている。だが、被保険者も、一人ひとりが自分の健康を大切にし、健保を支える意識を持っていただきたい。わがままをされては、健保はもたない。社会保障制度の意味を理解したうえで、健保を活用してほしいものである。

(第2地区 M・S)

 
●健康であること
 

 国民医療費が史上最高の38兆5000億円オーバー。その3分の1が高血圧・糖尿病・がんなどの生活習慣病……とのニュースがあった。
 給料は上がらず、税金ばかり上がる。生活が苦しいとぼやきつつ、酒を飲み、煙草を吸い、塩分の多い高カロリー食を好む。その一方で、運動はしない。
 その挙句、健康を損ない、病気になれば高い健康保険料を取られているのだから病院へ行かなければ損。
 個々の意識の低さが医療費を膨らませ、税金を上げざるを得なくなる。もちろん、保険料も高くなる。
 これも負の連鎖のひとつか。
 自分の責任でできる健康管理をきちんとやっている人と、それをしない人。同じ保険料でいいのだろうか。最近、自動車保険などでリスク細分型が増えているけれど、健康保険にもそういった仕組みが必要ではないだろうか。
 特定健診の本当の目的は、健康意識を高めて生活習慣病をなくすことのはず。その結果、病人が減れば医療費も抑えられ、世界に類をみない、低負担でいつでも誰でも利用できる日本の皆保 険制度の継続にもつながる。
 健康であるために努力する人にはそれなりの見返りがあってもよいのでは。健康を損なうリスクを自ら選ぶ人にはペナルティーがあっても仕方ないのではないか。
 そんな損得勘定よりも、日々健康に過ごせること自体が素晴らしいことではないか……と、原稿を考えながら揚げ物の入ったコンビニ弁当とカップ麺の昼食を食べている私がいる。

(第3地区 N・T)
 

 
投稿規定
「言わしてんか!聞いてんか!」
500字以内。手書き、ワープロ自由。見出しも付けてください。原稿を添削する場合があります。
イラスト、写真も歓迎します。
原則として、投稿者の「所属組合名と実名」を掲載。匿名希望(イニシャル)の場合も、原稿には「所属組合名と実名」を明記してください。
原稿は地区会の広報委員へ送ってください。
問い合わせは、健保連大阪連合会事務局へ。(06-4795-5522)