広報誌「かけはし」
 
■2013年12月 No.507
投稿 言わしてんか!聞いてんか!
   
●女性が働き続けること
 

 今年4月、下の子供が幸い就職して「被扶養者(異動)届(削除)」を無事提出することができました。子供2人に育てられ(?)つつ、働いてきてあらためて思うのは、働く女性の環境はン十年前と比べて、多少改善されたものの、それほど変わっていないということです。
 正社員は育児休業を一定期間取得して職場復帰しますが、契約社員は出産を機に退職するのがほとんどです。産後、職場復帰しようにも保育所は待機児童であふれ、実家等の支援がなければ、まずあきらめざるを得ません。いったん退職すれば、あとは不安定で低賃金のパート労働が多くなります。
 そのような現状からか、安倍首相は経済戦略で、女性が働き続けられる社会を目指し、育児休業制度の3年延長を掲げましたが、多くの女性からはブーイング。3年も休んだら知識やスキルを取りもどすのに時間がかかるうえに、キャリア形成も止まってしまいます。個人の問題だけでなく社会的にも大きな損失になり、もったいないですよね。
 低年齢児の保育ワクが増え、父親が育児参加しやすい環境が整い、企業側に多様な雇用形態ができれば、女性はもっと自然に働き続けられるでしょう。
 来年4月から産休の社会保険料免除が始まります。一部では出産手当で所得補償されているのに過剰ではという声もありましたが、これからの超高齢社会を担う世代を産み育てるわけですから、次世代への支援と受けとめていただきたいものですね。
 政府の皆さま、財源確保よろしくお願いいたします。

(第1地区 K・S)

   
●事業所訪問でコミュニケーション深めて
 

 当健保組合は平成23年度(2011年度)より、財政対策事業の一環として、「事業所訪問」を実施しています。
 前年度の事業所別収支状況に基づき、▽収支差引額の赤字額が高額▽前期高齢者1人当たりの給付額が高額▽定期健診、特定健診・特定保健指導の実施が低調――などの事業所を訪問。当組合の財政状況や訪問先の各種データの分析結果を説明し、医療費適正化などに協力を依頼しています。
 各事業所に「意識を持っていただく」ことが主目的ですが、財政効果を上げるには、通り一遍に終わりがちな説明や依頼を、いかに経営陣の〈心肝〉にとどめていただくか……。話の内容には毎回、頭を悩ませているところです。
 その一方で、普段の届出書類だけではうかがい知れない各事業所の事業展開や将来のビジョン、医療費等の削減に向けた独自の取り組み、あるいは事務担当者の悩みに至るまで、お聞きする機会でもあります。私たちにとって新たな発見もあり、コミュニケーションの向上にも一役買って(と確信して?!)います。
 財政対策事業の見直しに体操競技の「F難度」なみの解決策が見出せないなか、各事業所の協力を得て、いかに効果的な対策を講じるか……。次年度の予算編成、事業計画の策定に向けて、頭の痛い日々が続きます。

(第2地区 K・K)

 
●ある常務理事の使命
 

 営業本部から健康保険組合に異動になり3年が過ぎた。
 健康保険組合に来て当初驚いたのは、現役社員の訃報が多かったことだ。入社以来20年間に先輩上司が4人亡くなり、全国各支店でも同じ業務をしていた仲間が次々と倒れていた。主な病因は脳梗塞、心筋梗塞、肝臓がん、肺炎などである。しかしその年は、やけに人数が多い気がした。毎月亡くなってゆく知らせを聞くうちに「一緒に働いていた仲間が倒れている…なんとかしないと」悲痛な気持ちになった。
 健保の職員にそのことを尋ねると「病気になるのは仕方がない」といたって素っ気ない返事が返ってくる。現場を知らずに永年の間、健保業務一筋にきた方だった。どうしようもないし医療費が上がって困る。そんな内容だったと記憶している。
 人事部に相談し、組合会でも意見を述べた。仲間を救いたい素直な気持ちからであった。果たして、人事部はすぐさま"人事憲章"を発令し健康診断の100%受診を社員に命じてくれた。本人と管理者に対して健康診断の受診を促す強力な内容である。胸が熱くなった。
 以来、健診受診率は向上し、早期治療によるものか被保険者の医療費の上昇は沈静化した。次は被扶養者と高齢者に、もっと手をさしのべたい。それが使命だと思う。

(第3地区 S・M)
 

 
投稿規定
「言わしてんか!聞いてんか!」
500字以内。手書き、ワープロ自由。見出しも付けてください。原稿を添削する場合があります。
イラスト、写真も歓迎します。
原則として、投稿者の「所属組合名と実名」を掲載。匿名希望(イニシャル)の場合も、原稿には「所属組合名と実名」を明記してください。
原稿は地区会の広報委員へ送ってください。
問い合わせは、健保連大阪連合会事務局へ。(06-4795-5522)