広報誌「かけはし」
 
■2013年2月 No.497
投稿 言わしてんか!聞いてんか!
   
●疑問と違和感の1年
 

 母体企業から健保組合に移籍して1年。医療保険制度や医療保険行政に疑問と違和感の尽きない1年であった。
 まず、健保組合の経理について。経理は予算中心主義としており、支出は原則、当初予算を超えることができないため、支出は多めに見積もっているのが実態のようだ。支出を切り詰めて予算を立てる企業との違和感を覚えた。
 また、純資産に相当する準備金、積立金、繰越金のうち、準備金は解散リスク等への備えとはいえ、実態は未払いの医療費や納付金等に対応するものであり、未払金または引当金として負債確認しておくのが適切と考える。単式簿記の限界を感じた。
 次に、医療保険制度。日本は国民皆保険制度で、国民のだれもがいずれかの医療保険に加入することになっており、法定給付を等しく受けることができる。
 ところが、同じ標準報酬であっても加入する医療保険によって保険料率が違うことから、負担する保険料に格差が生じている。収入に応じた同じ保険料を負担し、同じ給付を受けてこそ公平な国民皆保険となるのでは。そうすれば、職域や地域、高齢者医療などで区分されている医療保険制度間の納付金や支援金、公費の投入など、調整のための複雑な資金の付け替えや制度間の利害対立もすっきり解消すると思うがどうだろう。
 もう1つ、柔整問題。柔道整復師と施術所の数の伸びが著しく、これにともない、施術療養費も増加している。支給申請書の点検確認の負担が年々大きくなるなかで、不適切な請求と思われる事例も増えてきている。
 保険医療の診療報酬請求が支払基金によって審査・支払いが行われている。柔整の一部も健康保険扱いとして認められているなら、柔整の支給申請についても統一的な審査・支払機関があってもよいと思うのだが。
 疑問と違和感は尽きないが、社会保障制度改革国民会議は、なにを示してくれるのだろうか。

(第1地区 A・F)
*投稿ですので、いろいろな考えをもつ人がいます。

   
●「カラダ」と「ココロ」のヘルスアップに向けて
 

 心身両面(「カラダ」と「ココロ」)のヘルスアップについては、各種健康イベントやメンタル疾患対策など、素晴らしい取り組みの健保組合から情報収集もしているが、厳しい財政下で費用をかけずに取り組むには…。悩ましい。
 そう思っていたところ、自分なりに「いいね」と思ったことが2つあった。(賛否両論あると思いますが、ご容赦のほどを)
1.事業所内における「ほめる」風土つくり
 「ほめる」には人のいいところを探すことに敏感になり、また、ほめられた人はうれしくなることで、お互いの心が豊かになる。そういう人が増えることで、健保加入者の「ココロ」のヘルスアップにつながるのではないか。
2.「社会貢献活動」への参加勧奨
 社会貢献活動は、全国規模のイベントから小規模のものまで、内容もさまざま。
 最近、海岸清掃、福祉施設の子供たちとのレクリエーションなどの参加機会があったが、「カラダ」を動かし会話を楽しみながらの活動は、日常の繁忙(?)から開放され、清々しい気分になれることがわかった。社会への貢献度は少しだが、自分の「カラダ」と「ココロ」にとっては貢献大!
 PR程度であれば、健保は費用をかけずに取り組める。また、事業主とのタイアップで職場の一体感醸成にもつながり、思った以上の効果が期待できる優れものではないか。
 もちろん、加入者からソッポを向かれている健保では、PRしても取り組みは進まない。「よりわかりやすく、身近な健保」に向けて、日頃の努力が肝要だ。
 ほんとうは、特定保健指導の対象となった自分の「カラダ」のヘルスアップに優先して取り組まないといけないのだが…。

(第3地区 M・S)

 
●大阪で修行中の身ですが…
 

 健保組合の仕事に就いて、8カ月が過ぎようとしている。これまで給与明細書に記載された健康保険料の額さえ、確かめたことがなかったが、そんな"初心者"だからこそ、制度運用の不都合や負担の公平性に、率直な疑問を感じることがある。
 まだまだ修行中ゆえ、皮相的な捉え方も多いが、例えば高齢者医療費の負担。その意義から考えて、公費投入と現役世代からの支援、および保険料の比率は、もっとバランスよく配分されるべきだろう。
 ある経済誌は、健康保険料の引き上げを「見えない増税」の1つに挙げていた。サラリーマンにとって、否応なく給料から天引きされる保険料は、所得税などと同じ感覚なのだ。
 健康保険制度そのものも、将来にわたって維持可能な制度を確立するのが喫緊の課題だ。昨年暮に誕生した新政権が今後、どの方向に進むとしても、重要な課題の1つには違いない。
 柔道整復療養費の適正化やジェネリック(後発医薬品)の利用促進など、頭を悩ませる種は尽きない。しかし、少しずつでも改善に努力していきたい。
 ところで、東京から大阪に単身赴任して来て、気付いたことがある。駅や繁華街を行き交う人々の動線だ。東京では、前から来た人と"お見合い"することはめったにないが、大阪ではしょっちゅうある。
 落ち着いて、お互いに道を譲れば、ぶつかりそうになることもない。やはり大阪人はイラチ(せっかち)なのだ―と思っていたら、その大阪人と2度、3度、"お見合い"を繰り返すはめになる小生もまた、イラチなのであった。

(第2地区 J・K)
 

 
投稿規定
「言わしてんか!聞いてんか!」
500字以内。手書き、ワープロ自由。見出しも付けてください。原稿を添削する場合があります。
イラスト、写真も歓迎します。
原則として、投稿者の「所属組合名と実名」を掲載。匿名希望(イニシャル)の場合も、原稿には「所属組合名と実名」を明記してください。
原稿は地区会の広報委員へ送ってください。
問い合わせは、健保連大阪連合会事務局へ。(06-4795-5522)