広報誌「かけはし」
 
■2012年11月 No.494
投稿 言わしてんか!聞いてんか!
   
●もしも健康保険がなかったら
 

 健保組合に配属になる前、東南アジアに駐在していた。私は、その国に駐在する日本人がだれでもするように家政婦を雇っていた。しっかりとした真面目な女性で、どこで習ったか日本料理が得意であった。
 ある朝、彼女がいつものように台所で朝食の準備を始めた。寝床でそう思っていると、突然、うめき声が聞こえてきた。ただごとならぬ声に驚いて台所に行くと、彼女が倒れており、血も流している。気が動転し、一瞬どうすればいいのか分からなくなったが、気を取り直し、地下室にいる警備員に事情を説明して部屋に来てもらった。
 どうも流産のようだったので、すぐ病院に運ぶことが必要と、彼女の夫へ連絡、夫が迎えに来てくれてひと安心した。しかし、彼女は夫が来ても病院に行けないと言っている。理由を聞くと、お金がないからという。社用で外へ出たいが、かといってそのままにしておくこともできず、やむなく、その日の医療費は私の負担とし、応分のお金を渡して出社した。数日後、彼女は、おかげで命拾いをしたとお礼に現れた。その後、彼女はしばらく休養をとり、やがて以前のように戻った。
 振り返ってみると、健康保険制度がないために起きた話だが、世界にはこんな国が多くあると思う。万が一にも、日本がこのようになるとは思わないが、将来は何が起きるか分からない。現在の日本の健保制度には種々問題はあるが、大切な制度であるとつくづく思う。

(第4地区 Y・O)

   
●喫煙率低下は神頼みで?
 

 全国初の罰則付き路上喫煙禁止条例を制定してから、この6月で丸10年になった東京都千代田区では、違反者から過料として徴収した金額が3月末までに1億円を超えたそうです。懲りない、そして"強靭なる意志"をお持ちの方が多いようですね。
 弊社の喫煙率(成人男性)も、10年前の56%に比べて平成23年度は41%と減りましたが、全国平均(JT全国喫煙者率調査)36%には、まだまだ遠い先の話。けれども、目標にして頑張っています。
 保健事業で平成19年頃から「ガム」「シール」を使用し禁煙サポートを行ってきました。これらはいずれもニコチン製剤による禁煙補助薬でした。さらに平成20年頃から非ニコチン製剤の経口薬が発売されました。これは私自身も思い描いた理想的な薬でしたから、喫煙率が大きく下がると期待しました。試験的にヘビースモーカーを対象に禁煙外来を紹介すると、8割程度の達成率でしたから、すかさずGOをかけました。
 ところが平成23年になって厚労省から、意識障害の副作用の疑いがあるとの発表があり、弊社産業医は、車通勤を考えて一斉に「診療所内使用停止」としたために、非常に残念な思いをした経緯があります。
 いまでは、各事業所で定期的に禁煙キャンペーンを行い、たとえ1人であっても、禁煙希望者が診療所に来所したら、従来の禁煙補助薬で地道な対応をするようスタッフにお願いしています。また昨今、就業時間中禁煙の事業所が増えてきたので、このチャンスを逃すまいと策を練っています。あとは、平成25年度厚労省税制改正要望であります「国民の健康の観点からたばこの消費を抑制することを目的とした、たばこ税の税率の引上げ」の実現を大いに期待しています。これってやっぱり「神頼み」かな・・・?

(第5地区 T・N)

 
●運動不足解消には…
 

 今年は残暑厳しく、秋の訪れも遅くなっています。
 さて、私の運動不足解消方法は、休みの日に、ゴルフをしながら、野山を駆け回ることです。最近は楽しく、快適にゴルフができるよう、乗用カートが使えるゴルフ場が多くなってきていますが、私自身は、極力歩くようにして運動不足解消に努めています。
 先日、あるコンペに参加しました。場所は六甲山頂にある「神戸ゴルフ倶楽部」。1903年開場の日本最古のとても歴史・風格のあるゴルフ場です。
 山頂にコースがあるため、自然を充分生かしたコースは、全ホール急なアップダウンばかりで、乗用カートはもちろん、手引きのカートもなく、キャディーバッグを担いでゴルフをしました。昔の人は、よくこのようなコースでゴルフをしていたものだと感心しています。最初は快調でしたが、15ホールを過ぎた頃から疲れが出てきました。けれども、なんとか無事にホールアウトすることができました。
 つくづく、運動不足だと感じましたが、自然のなかを歩き回ったことで、いつもと違う風景・植物などを見ることができ、とても有意義な1日でした。
 皆さんも休日は自然のなかで、身体を動かしてみませんか?

(第6地区 N・T)
 

 
投稿規定
「言わしてんか!聞いてんか!」
500字以内。手書き、ワープロ自由。見出しも付けてください。原稿を添削する場合があります。
イラスト、写真も歓迎します。
原則として、投稿者の「所属組合名と実名」を掲載。匿名希望(イニシャル)の場合も、原稿には「所属組合名と実名」を明記してください。
原稿は地区会の広報委員へ送ってください。
問い合わせは、健保連大阪連合会事務局へ。(06-4795-5522)