広報誌「かけはし」
 
■2012年5月 No.488
投稿 言わしてんか!聞いてんか!
   
●過大な拠出金負担に思う
 

 42.99%、42.40%、48.36%、59.11%、64.86%。これは当組合の予算ベースでの平成20年度以降における高齢者医療制度への拠出金の保険料収入に占める割合である。
 かつて老人保健制度下で厳しい財政運営を強いられた経験があるが、それでも負担率が50%を超えることはなかった。
 ところが、23年度では保険給付費の負担率を追い越して50%を超え、24年度に至っては60%の大台も超える結果となった。
 骨身を削って負担に耐えてきたが、もはや限界である。
 負担能力を遥かに超える異常な事態におよんでいる最大の要因は、負担率が30%を超える前期高齢者納付金の増加による。
 前期高齢者医療の財政調整は、もっぱら被用者保険に頼った国保の救済制度であるが、公費の投入がなく、また、納付金が国保への交付金となって若年者の医療給付費にも使われている問題など、多くの矛盾を抱えており、透明性に欠けている。
 さらに、納付金等の算定に用いられる諸率や数値は根拠が示されず、負担に対する不信感は募るばかりである。
 どう考えても被用者保険からの納付金が多すぎる。
 まずは、過度となっている納付金と交付金の是正を求めたい。

(第4地区 T・M)

   
●健保組合を悩ませ 苦しめる傷病手当金
 

 最近、どこの健保組合も悩まされていると思うのが、ストレスなどから発症するうつ病等で労務不能となり、傷病手当金の受給権利を主張されるケース。在職中のみならず退職後を合わせて、最大1年6カ月分もの傷病手当金を受給するケースも少なくない。
 この疾患、医者が認めれば支給せざるを得ないのが現状である。
 以前は、事務局から出向き、本人や医者と話し合ってから支給の可否を決定していたこともあったが、最近は個人情報保護等もあってなかなかそうはいかない。
 これまでの仕事に就けない状態ではなく、他の仕事なら就業できるケースはないのだろうか。そうであるとすれば、貴重な保険料を費やすべきか疑問に思う。働けない状態であるといいながら、なかには傷病手当金の受給終了直後に職安へ行き、職探しをしている人もいると聞いている。働けるのに傷病手当金を得て、1年半をすごすのが本人にとってよいことなのだろうか。
 傷病手当金は、健保財政を逼迫させる要因の一つになっている。大切な保険料を預かる身として適正かつ公平な給付を行っていきたいと思う。
 ケガや病気で「働きたいけど働けない」と「働けるけどその気がない」とでは大きな差があると思うのだがどうだろうか。

(第5地区 T・U)

 
●十年ひと昔
 

 畑違いの健康保険組合へ着任して10年以上になります。読者の方も同じ経験をされた方が少なからずおられると思いますが、着任当初は健保用語の意味もわからず四苦八苦しました。1年半ほどで朧(おぼろ)げながらも全体像がみえるようになりました。
 先日、厚生労働省からの通達等のファイルを繰っていて、着任前の10年間とその後の10年間の書類の厚みをみると、この10年間の文書が圧倒的に多く、健保組合にとって激動の時代であったとの感を強くしました。
 振り返ってみると、医療費窓口負担の3割化、保険料の総報酬制の導入、高齢者医療制度の新設、特定健診・特定保健指導の実施等々、健康保険制度がめまぐるしく変わりました。当健保にとっても、数度の保険料率の改定、合併、事業所編入、一括適用など大きな仕事がありました。
 今後も「社会保障と税の一体改革」のなかで、健保組合にとって激動の時代は続くことになりますが、いままでの流れをみていると、愚見ながら政府の施策の根底に流れているのは、「組合健保は打出の小槌」と錯覚しているといっても過言ではないと思います。この流れをなんとか断ち切りたいものです。

(第6地区 S・M)
 

 
投稿規定
「言わしてんか!聞いてんか!」
500字以内。手書き、ワープロ自由。見出しも付けてください。原稿を添削する場合があります。
イラスト、写真も歓迎します。
原則として、投稿者の「所属組合名と実名」を掲載。匿名希望(イニシャル)の場合も、原稿には「所属組合名と実名」を明記してください。
原稿は地区会の広報委員へ送ってください。
問い合わせは、健保連大阪連合会事務局へ。(06-4795-5522)