広報誌「かけはし」

■2012年3月 No.486

 2月15日、定例の理事会を開催し、中央情勢報告を中心議題として審議した。

1. 中央情勢

(1) 社会保障と税の一体改革の関連法案
   厚生労働省は、通常国会に9本の法案提出を意思表示している。そのうち医療関係では高齢者医療制度と国保組合の補助の見直しである。提出を検討中なのは、短時間労働者の適用拡大と介護保険法の見直しである。短時間労働者の適用拡大については、現段階では法案提出後、3月中旬頃に審議が始まるような流れである。後期高齢者医療制度の廃止は全国知事会からも反対がある。短時間労働者の適用拡大は民主党厚生労働部門で議論されており、社保審医療保険部会では各医療保険制度に及ぼす財政試算が出ている。
(2) 診療報酬改定
   2月10日に中医協から答申が出された。同一医療機関で同日複数診療科受診の際の再診料を認めることや、時間外対応加算への重点配分など在宅医療対策がある。ネットで0.004%のプラス改定である。
(3) 社会保障と税の一体改革に向けた対応
   「素案」の内容は、消費税引き上げによる財源で手当てされる項目、内容等が明確でない。高齢者医療のうち、とくに前期高齢者への公費投入がまったく触れられていない。
 当面の対応として、与野党を問わず関係の深い議員に対して、われわれの従来からの主張を訴え、引き続き要請活動を行っていく。
 改革が進む見込みが立つ段階では、前期高齢者への公費投入等われわれの要求が取り入れられるよう大規模な要請活動を行う。
 われわれの主張が反映されない見込みとなったとき、とくに総報酬割のみ導入といった負担増だけの内容となったときは、法案阻止活動を行う。
 一体改革に関する試算と主張は、条件設定をしながらどのような主張をするか整理する。健保連本部の医療制度等対策委員会、常任理事会でまとめる。
 要求実現に向けた今後の対応は、消費税引き上げに至る前後までの健保組合の財政状況を試算し、主張を明確化、具体化していく。同時に「素案」の高齢者医療制度に関する問題点を明らかにして、持続的・安定的な制度運営が達成できる方途について主張していく。
(4) 共通番号制度の動向
   番号制度に関する実務検討会が主体になって、その下のいろいろなWGが検討している。番号制度の所管は内閣府、番号情報保護は外局である、いわゆる三条委員会という独立機関を設置、個人情報を保護するようにする。2014年(平成26年)6月に番号を交付、翌年から利用できるようにするという。

2. 本部委員会報告

(1) 交付金交付事業委員会
   平成23年度の組合財政支援交付金の交付組合に対するヒヤリングを実施した。
 高額医療交付基準の見直しは、基本的な考えとして400万円を超える部分の交付率は100%を堅持し、400万円〜100万円の部分は見直し後3年程度の間、交付率50%を維持する。一般疾病の交付基準は現行の100万円超を120万円超に引き上げることをたたき台の案とした。
 24年4月以降の高額医療給付の交付申請は原則オンライン化する。
(2) 大会企画委員会
   23年11月21日に開催した全国大会の総括、反省会を行った。大会出席者は前年と同水準の3 3 1 5 名であった。開催時期、場所は妥当であったとの意見が多く、大会の構成は国会議員との質疑等、充実していたとの意見が大勢であった。国会議員への要請は245名に行い、うち本人に要請されたのは71名であった。

3. 大阪連合会活動

(1) 広報委員会
   かけはし2月号の編集概要の報告があった。
(2) その他
   会議の後、2月20日に開催のデータ分析事業研修会での事例発表の概略について、パナソニック健保データ分析事業推進室の板ア室長から説明を受けた。