広報誌「かけはし」

■2012年3月 No.486

   「栄養成分表示や健康食品を理解し健康づくりに役立てよう!」をテーマに掲載してきましたこのシリーズも最終回です。今回は「特定保健用食品(トクホ)」を摂取するとき、どんなことに注意すればいいか、サラリーマンAさんを例にお伝えします(特定保健用食品については2011年11月号の掲載内容もご参照ください)。
 ★たくさん摂ってもいいの?
   会社の健診で血圧がやや高いという結果が返ってきたAさん。ここ数年、血圧がだんだん高くなってきていることが気になっていました。「これ飲んでみたら?」と同僚に「トクホ」のマークがついている飲み物を薦められ、「血圧が高めの方に」と書いてあるのを見て効果を期待し、購入しました。出勤するときに持って行こうとして妻から「1本だけでいいの?」と聞かれてふと思いました。「たくさん飲めば効くのかな?でもたくさん飲んでいいのかな?」
Aさんへのアドバイス:
 特定保健用食品には「摂取目安量」「摂取上の注意」が表示してあります。たくさん摂取すれば効果が上がるということではありませんので、表示内容を読み、適量を守って摂取しましょう。

 ★これさえ摂っていれば大丈夫?
   Aさんは「トクホ」のマークを目印に、ときどき商品を変えながら、表示されている摂取目安量を守って飲んでいました。ある日のこと、社員食堂でいつものように飲みながら昼食を摂っていると、居合わせた上司から「それっていい?オレも血圧高めで減塩しろっていわれてるんだけど続かなくて。それを飲んでいたらなにを食べても大丈夫?」と聞かれてふと思いました。「これさえ飲んでいたら、味つけを気にしなくてもいいのかな?」
Aさんへのアドバイス:
 特定保健用食品を摂取していればなにをどれだけ食べても安心ということではありません。日頃から薄味や適量を心がけ、野菜をたっぷり食べるなど食事バランスに気をつけましょう。なお、特定保健用食品には「食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを」と消費者に注意を促す言葉を表示することが義務づけられています。
 健康づくりは、食事や運動などの生活習慣をよりよくすること、そしてそれを継続することが大切です。特定保健用食品は生活習慣改善の補助的な役割を持つ食品として、上手に利用しましょう。

特定保健用食品の表示許可食品に関する情報は「独立行政法人 国立健康・栄養研究所」ウェブサイト内で得ることができます。各商品の関与成分の安全性、有効性に関する情報なども掲載されています。
http://hfnet.nih.go.jp/contents/sp_health.php
(独立行政法人 国立健康・栄養研究所)
 


「トクホ」のマーク