広報誌「かけはし」
 
■2012年1月 No.484
投稿 言わしてんか!聞いてんか!
   
●健保組合の存続と国民皆保険の維持
 

 平成23年は、皆保険制度発足50周年の年でした。
 制度そのものは非常に結構ですが、健保組合に勤務する者にとっては、やや複雑な心境です。
 少子高齢化が進む現在、国民皆保険制度を維持するために、いままで医療保険制度の改革が行われてきたと思いますが、毎年高騰する医療費、とくに団塊世代が前期高齢者となることで高齢者の医療費が増加、また前期高齢者納付金や退職者給付拠出金、後期高齢者支援金の増加も当組合の支出のなかで大きなウエートを占めています。(現在は約50%、24年度は?%)
 一方ではオンライン化の進展等によるパソコン、およびシステムの更新等による支出増等々。
 そんなことでやむなく必要と思われる保健事業を少しずつ切り詰めているのが現状です。
 このように現行制度上では、保険者としていくら努力しても関係なく、収入のうちの半分近くも他制度へ拠出しなければならないという財政状況が続いています。先行きが見通せない不安と重圧のなかで過ごしていると言っても過言ではありません。
 このような状況を打開するためには、高齢者医療制度に対する公費を拡充して、同制度を安定化させる改革が一刻も早く行われることが必要です。そのことで健保組合の存続発展、また国民皆保険の維持につながっていくと思いますが、いかがでしょうか。

(第4地区 H・Y)

   
●お正月の"遊び"
 

 お正月の"遊び"について皆さんと共に楽しみましょう。
 「かるた」 (江戸)塵も積もれば山となる。(京)地獄の沙汰も金次第。国の借金1024兆円(国民1人当たり802万円)、さらに雪だるま式に増加中。健保組合加入者は、高齢者納付金等を含む保険料や、一般会計からの繰り入れという形での国保保険料(市町村民税で負担)などの目に見えない幾重もの負担を強いられている。
 「双六」 勝敗は運次第。何人でも参加の団欒(だんらん)。前期高齢者医療への公費投入、診療報酬の引き下げ、高額療養費の見直しと受診時定額負担導入、70〜74歳患者負担を2割負担へ戻す、短時間労働者への社保適用、介護納付金への総報酬割導入、消費税引き上げ、TPP参加、まさに右往左往か。ゴール(グランドデザイン)が見えない。
 「凧揚げ」 より高く掲げて戦いを挑む。成長を祝う。決議@現役世代が納得できる公平な制度改革の早期実現A高齢者医療制度に対する公費拡充と安定財源の確保B健保組合方式の堅持C改革実現までの財政支援。
 「羽根つき」 一年の厄をはね返し、健やかな成長を願う。打ち損じると顔に墨を塗る魔除けのおまじない。医療保険制度のかじ取りは健保組合がしっかりと。
 「福笑い」 笑う門には福来る。厳しい健保財政下であっても人相が悪くなったらダメですよ。今年一年笑顔で頑張りましょう。

(第5地区 R・1)

 
●難敵!健保組合予算
 

 健保組合の予算に携わって2年目となります。
 ちょうどこの時期は各組合のご担当者も理事会・組合会に向けての準備に余念のないことかと思います。
 さて、この業務を行っていて常に思うことは、健保組合の予算編成は非常に難しいということです。その理由は、ひとえに高齢者医療制度に対する拠出金にあります。
 年末から年始にかけて支払基金や健保連から拠出金の計算ツールが送られてきますが、仮に想定より高額になり予測が狂ってしまった場合、予算認可まで超短期間に保険料率設定し直しなどのあらゆる手段を模索していくことになります。
 もちろん、事前に拠出金の予測をするのですが、例えば前回の計算式に当てはめて試算してみても、伸び率などの国から与えられる数値によっては金額が大きく左右されかねない、という不安を抱きながらの作業になります。
 拠出金の数億円程度の変動に耐えられないような組合は必要ないと言われている気すらしてしまいます。
 現行では国の高齢者医療円滑化等事業の助成金や健保連の組合財政支援事業等で、過度な負担については後から助成されるシステムになっています。
 しかし、本年度の当組合のように拠出金割合が保険料収入の60%を上回るような状況は、保険者としての負担能力を遥かに超えた異常事態ではないでしょうか。
 例えば保険料収入に占める一定の割合で拠出金の上限を設けるなどの方法をとっていただけないものかと切に願う次第です。

(第6地区 M・Y)
 

 
投稿規定
「言わしてんか!聞いてんか!」
500字以内。手書き、ワープロ自由。見出しも付けてください。原稿を添削する場合があります。
イラスト、写真も歓迎します。
原則として、投稿者の「所属組合名と実名」を掲載。匿名希望(イニシャル)の場合も、原稿には「所属組合名と実名」を明記してください。
原稿は地区会の広報委員へ送ってください。
問い合わせは、健保連大阪連合会事務局へ。(06-4795-5522)