広報誌「かけはし」
 
■2011年12月 No.483
投稿 言わしてんか!聞いてんか!
   
●受診時定額負担導入、一律100円上乗せって…
 

 外来患者が受診のたびに窓口で一律100円を上乗せする「受診時定額負担制度」を導入する案が社会保障審議会医療保険部会に提示された。実現性は不明だが、それにしても高額療養費負担軽減のために、外来患者から自己負担を100円高く徴収するのってどうだろうか?
 通院のたびに100円の負担。これにより診療所の受診抑制を狙っているのか?
 不適切な受診の防止に役立つとの論もあるが、低所得者や受診回数の多い高齢者にとっては大きな負担となるであろう。また、受診を控え、必要な医療が受けられなくなることも考えられる。
 社会保障・税一体改革成案にもとづいて、高額療養費制度を見直し、中低所得者の負担上限を引き下げるとのことである。重病で長期入院している人にとっては、毎月の医療費の負担が減額され、大いに助かるであろう。
 しかし、上位所得者に対しては、所得が1000万円であれ、1億円であれ、自己負担額が一緒というのはどうだろうか?
 所得範囲の下限の人と上限の人では、考え方も違ってくるかも知れないが、上位所得者についても、所得範囲の細分化、または所得範囲ではなく、所得金額自体によって高額医療費の自己負担額を変えるべきではないか。
 どうも高額所得者のみ優遇しているように思えてしまうのは、私だけであろうか。
 細かい問題はあるかと思うが、本当に重要なものは何であるかを議論してほしい。

(第1地区 K・H)

   
●厚生年金70歳時代?真の社会保障とは何か
 

 厚生年金の支給開始年齢引き上げについての議論が世間を騒がせている。厚労省がこの秋、引き上げ念頭の案を社会保障審議会に提示したことが報じられて以来のことだ。
 マスコミの論調や街のインタビューを見聞すると「寝耳に水」のニュアンスが多い感じだが、健康保険組合の運営に携わる方がたは「やはりそう来たか」という感想を持たれるのではないか。
 私も「ついにそんな時代が来たか」と暗澹たる気分になった。少子高齢化社会の加速ここに極まれりの感をいっそう強くするほど衝撃的な今年のニュースだった。
 さて、数年前の話だが、「中福祉・中負担」という言葉が盛んにいわれた時期があった。どのレベルが「中」であるかは失念したが、何ともあいまいな言い回し。仮に、消費税10%台が「中負担」だとしても、いまのままでは見返りは「低福祉」止まりかと思われる。
 そろそろ国民もマスコミに踊らされて権利の主張ばかりせず、現実を直視すべきではなかろうか。政治は一刻も早く、引き締め策(いわゆる4Kなどばらまきの即時廃止)を行い、必要な社会保障策を推し進めてほしい。選挙対策のための政策作りはやめませんか?
 医療保険でいうならば、少なくとも、70〜74歳の「窓口負担1割延長」はやめてはいかが。そうでもしないと、私の年金受給開始が70歳になってしまいそうだ。年金論議のなか、半ば冗談で、半ば本気で思うことである。

(第2地区 N・H)

 
●国家百年の計を!歴史のロマンに思う
 

 本能寺で、織田信長を討ち取った明智光秀。
 その光秀も、秀吉との戦いに敗れ、落ち武者狩りに遭遇し落命したとされている。しかし、光秀は生き延び徳川家康を補佐して270年に及ぶ江戸幕府の礎を築いた。明智光秀またの名を、家康・秀忠・家光の3人の将軍に仕えた黒衣の宰相、天台宗の僧侶・南光坊天海……。
 豊臣家の滅亡・江戸の都市計画・家康の遺体の久能山から日光への改葬と日光東照宮の大改築などに深くかかわったといわれています。
 歴史の諸説に思いを馳せ大きなロマンを感じながら、ふと、現代に目を向けると大きなため息が出てしまいます。7月1日に閣議報告された「社会保障・税一体改革成案」にしても、世論の大勢を占める「高齢者医療制度への公費投入拡大」にまで踏み込んで触れられていません。
 この「成案」に対して、健保連の平井会長は談話のなかで「目指すべき社会保障制度の姿や、それに至る道筋が示されていない」と指摘していますが、まったく同感です。
 厚生労働省は医療保険制度や年金制度などについて小手先の改正(?)案を示す前に、まず「国家百年の計」を見据えた真の改革案を示していただきたいものです。

(第3地区 W・K)
 

 
投稿規定
「言わしてんか!聞いてんか!」
500字以内。手書き、ワープロ自由。見出しも付けてください。原稿を添削する場合があります。
イラスト、写真も歓迎します。
原則として、投稿者の「所属組合名と実名」を掲載。匿名希望(イニシャル)の場合も、原稿には「所属組合名と実名」を明記してください。
原稿は地区会の広報委員へ送ってください。
問い合わせは、健保連事務局・宗像(06-4795-5522)へ。