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(1) |
政治関連 |
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ご存じのとおり、野田内閣が誕生し、厚労大臣に小宮山洋子氏が就任された。副大臣(厚生担当)は辻泰弘氏、政務官(厚生担当)は藤田一枝氏に決まった。政策調査会長は前原誠司氏である。 |
(2) |
社会保障・税一体改革 |
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医療・介護については、社会保障審議会の各部会で9月、10月に集中的に議論され、12月に改革案を取りまとめ、年明けにできるところから関係法案を出すようである。
税制関係は、改革案を年内にまとめ、来年3月までに法案を提出するとしている。
非正規労働者の社会保険適用問題については、社会保障審議会に特別部会が設置され、医療保険・年金を横断し、雇用政策と連動した検討を行う。成案を得た後、通常国会に関係法案が提出される。 |
(3) |
医療の無過失補償制度 |
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医療の質の向上に資する目的で、無過失補償制度等のあり方に関する検討会が設置された。現在、産科に産科医療補償制度があるが、それを全医療へ拡大できないかを検討する。 |
(4) |
22年度の医療費の動向 |
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22年度の医療費の伸び率は3.9%であるが、これは診療報酬改定分(0.19%引き上げ)を含んでいる。とくに、未就学者の医療費が8.9%増と非常に高い伸びである。公費の伸びは7.7%増となっており、これは生活保護の増加にともなう増加である。 |
(5) |
社会保障・税一体改革の個別項目 |
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非正規労働者の医療保険適用拡大、および高額療養費の見直し、受診時定額負担の導入については、健保連、健保組合として考え方をまだ整理していない。これから具体的な議論が始まるので、視点、論点はどういうことがあるか、来月の常任理事会でまとめる。その間、医療制度等対策委員会を開いて方向づけをする。
この件は、2007年に被用者年金の一元化法案が国会提出されたが廃案となった。非正規労働者の適用拡大の条件として、週20時間以上等を適用し、医療保険にも一括適用するとされていた。
高額療養費の見直しについては、昨年の医療保険部会で議論された。自己負担限度額に新しい区分を検討するとされ、財源をどうするかの議論から受診時の定額負担の導入が出てきた。 |
(6) |
平成22年度 健保組合決算見込 |
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平成22年度は4154億円の経常赤字で、過去最悪の21年度に次ぐ大幅な赤字である。赤字組合は全体の8割を占め、保険料率を引き上げた組合は415組合、保険料収入に対する義務的経費の割合は99%で、保険料収入のほとんどで賄っている。平均保険料率は7.672%で前年度比0.222ポイント増加であり、69組合が協会けんぽの料率(9.34%)以上となっている。
今後の見通しについて、23年度の予算早期集計では、6089億円の赤字を見込んでいるが、大震災の影響、円高問題等は反映されておらず、これ以上に厳しい状況が予想される。 |
(7) |
22年度高額レセプト上位の概要 |
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高額医療給付交付金交付事業の全体での件数は30万8639件で、前年度比6%アップとなっている。1カ月の医療費1000万円以上のレセプトが過去最高の174件になり、500万円以上はこの6年ぐらいで1.5倍になっている。 |