広報誌「かけはし」
 
■2011年9月 No.480
投稿 言わしてんか!聞いてんか!
   
●心身の健康
 

 「健康増進法」が施行されてやがて10年になります。
 メタボリックシンドロームという言葉はすっかり市民権を獲得しました。とくに被扶養者の方には、特定健診より「メタボ健診」のほうが通じます。
 受動喫煙防止設備も、ごく普通の設備になりました。
 その一方で、すごい勢いで増えているのが、メンタル疾患でしょう。
 日本列島全体が、ストレスという厚い雲に覆われてしまったような印象です。
 はたしてこの間、日本人は健康になったのでしょうか。WHOの健康の定義は『病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあること』です。
 この精神的、ということですが、ILO条約では、有給休暇のうち2週間は連続して休むことを定めています。2週間以上の連続休暇は、肉体的、精神的な健康を取り戻すためにぜひとも必要であり、それは結局社会的なコストを引き下げるのだという認識です。
 ストレスを和らげ心身の健康を得るには、まとまった余暇が必要なことは明らかでしょう。
 節電と同じように、社会全体でまとまって取り組むべきかと思います。

(第4地区 M・M)

   
●日本国はどこへ行く?健保組合はどうなるの?
 

 6月末から7月初めにかけて、健保組合にも大きな関係のある記事が新聞に載った。
 1つは、総務省が発表した2010年国勢調査の抽出速報集計結果であり、65歳以上の高齢者人口と15歳未満の子ども人口の割合がそれぞれ2005年に続いて世界最高と最低を更新し日本の少子高齢化がさらに鮮明になったとあり、その次には「改革を進めないと確実に2010年代後半には財政破綻してしまう」と載っていた。
 ヨーロッパのどこかの国のように、財政破綻が確実になるよということであると思う。
 そして、7月1日には、まったく頼りにならない「社会保障と税の一体改革成案」が新聞の1面に載った。
 なにが、「給付・負担両面で世代間のみならず、世代内での公平を重視する」だ。お金を持って裕福なのは高齢者のほうが多いですよ。
 社会保障の現役依存はもう限界だといわれているのに、なぜ早く消費税(目的税)に着手しないのだ。選挙に勝てない???それであれば日本国が近い将来どうなってもよいのか。いまの政治家は、自分が担当しているときに責任を取りたくないから決断をしない。問題すべて先送りである。働く人々はもっと怒るべきだ。
 健保組合が納付している前期高齢者納付金などは、保険者間の財政調整などというものではなく、表現は悪いが「ばくち」みたいなものであり、前期高齢者1人に多額の医療費が発生すると、健保組合によってはその医療費の10数倍の納付金を納める(取り上げられる?)ことになる。
 高齢者医療の支援金・納付金のために解散に追い込まれていく健保組合も多数ある。
 何のためにいままで一生懸命築いてきた制度やねん。組合員のためにつくったのと違うの?
 もちろん、高齢者医療にもお金は出す必要はあると思うが、それも常識的な限度額があるはず。いまのままなら、日本国も、健保組合も砂上の楼閣や。

(第5地区 G・Y)

 
●「限度額適用認定証」発行について思うこと
 

 「いま病院で限度額適用認定証を発行してもらうように言われました…」。こんな内容の電話がほぼ毎日のように被保険者や被扶養者の方から入る。当健保組合では付加給付部分も含め高額療養費は自動計算し返金する仕組みになっているが、従来の事務処理ラインにのらないこの認定証発行の対応が多く、発行枚数は毎月100件近くにのぼる。
 問い合わせへの対応、認定証の作成、発送業務等の事務コストも無視できない。ご存じのとおり「限度額適用認定証」は、入院の場合に医療機関で提示することにより窓口支払額が自己負担限度額で済むというもの。所得区分(上位所得者または一般所得者)によりその額が異なるため、保険者で1件1件所得を確認して発行しなければならない。2007年の法改正で高額療養費制度を使いやすくする目的でつくられたものであるが、その趣旨は理解するものの、本当に現場での運用面まで考えてつくられたのか疑問である。
 さらに、先般、決定公表された「社会保障と税の一体改革成案」によると、来年4月からは入院に加え外来でも認定証が使用できるようにする法改正を予定しているようだ。法改正があるたびに思うのだが、『行政機関に現場主義”という考えはないのか!』と思ってしまうのは私だけだろうか。
 一方で、成案のなかに「社会保障・税に関わる共通番号制度の早期導入」が盛り込まれている。こちらも克服しなければならない課題は多いが、行政管理業務の効率化や保険者も含めた現場の事務コスト削減等の観点からもぜひ早期に実現してもらいたい。そうすれば、「限度額適用認定証」の問題も一気に解決するのだが…。

(第6地区 M・M)
 

 
投稿規定
「言わしてんか!聞いてんか!」
500字以内。手書き、ワープロ自由。見出しも付けてください。原稿を添削する場合があります。
イラスト、写真も歓迎します。
原則として、投稿者の「所属組合名と実名」を掲載。匿名希望(イニシャル)の場合も、原稿には「所属組合名と実名」を明記してください。
原稿は地区会の広報委員へ送ってください。
問い合わせは、健保連事務局・宗像(06-4795-5522)へ。