広報誌「かけはし」
 
■2011年6月 No.477
健保問答 

第 368回

     
Q
 単一健保ですが、業績悪化にともなう株式の売却により、母体企業との資本関係がなくなる事業所があります。この事業所の減少(健保からの脱退)を進めざるを得ない場合、どのような点に留意すべきでしょうか。


A
 健康保険法第25条第1項で「健康保険組合がその設立事業所を増加させ、又は減少させようとするときは(中略)その適用事業所に使用される被保険者の2分の1の同意を得なければならない」と規定されています。たとえ資本関係が一切なくなったとしても、その事実のみをもって減少するということにはならず、当該事業所の被保険者の2分の1以上の同意が必要となるので注意が必要です。
 そのうえで、事業所の脱退が組合規約の変更事案であることから、組合会で議員定数の3分の2以上の賛同を得る手続きが必要となります。
 当該事業所の被保険者としては自分の保険料や保健事業などへの関心が強く、通常これらの条件が悪くなる場合の同意は得られにくいと思われます。まずは当該事業所の事業主ときっちり話し合ったうえで、事業主とともに被保険者の理解を得られるように努力することが重要です。
 事態を困難にしないためにも、編入時はもちろんのこと、日常から母体企業を中心とした各事業主との連携が重要になります。