広報誌「かけはし」
 
■2011年3月 No.474
投稿 言わしてんか!聞いてんか!
   
●なぜか漂う閉塞感
 

 いよいよ新年度を迎えるが、新予算に胸を膨らませるどころか正直なところは閉塞感が漂っている。
 なぜ、このような気持ちになるかと考えてみると話は簡単である。どうやっても黒字とはならないからである。
 本来、健康保険は保険の一種であるから当然ながら保険の基本原理が機能しなければ成り立たない。基本原理とは大数の法則、収支均等の原則であるが、一般の生命保険のような私的保険はこれが前提となっている。
 振り返って、健康保険を考えると、公的保険という名のもと、世代間扶養の考えで高齢者の医療費が現役世代に賦課されているが、個々の健保組合の負担能力は十分に検証されていない。
 その結果、多くの健保組合の財政は赤字となり、財産がある間は繰入での対応が可能であるが、なくなれば料率を上げざるを得ない。
 だが、単に料率を上げるだけでは健保組合の存在意義が失われていくのではないか。
 現在必要なことは、医療費負担を公的な健康保険と私的な医療保険の両建てを原則として、公的な健康保険の役割を一定限度におさえることであると思う。
 最低限の保障は公的健康保険の役割だが、それ以上の医療は私的保険の役割とする。一定の自己責任の考えがなければ継続可能な医療制度は成り立たないように思う。

(第4地区 Y・O)

   
●健康診断で医療費は本当に減らせるのか!?
 

 わが国では、早期発見と治療を目的に、健保組合・企業・行政が膨大な時間とお金を使い国民に健康診断を提供しています。はたして医療費は減っているのだろうか?減るどころか毎年増え続けているのが現実です。
 なぜかと考えてみると、二つの理由があるように思えます。
 一つは、受診者の問題。健康診断は受けるが、その結果に対して自ら対処せず、体が悲鳴をあげてから病院のお世話になり、膨大な医療費を使う人が後を絶たないという現実。これが健診を無意味でムダなものにしているようで、やりきれない気持ちになります。
 もう一つは、検査で病人をつくり出しているのではないかということ。受診者は検査値で一喜一憂しがちで、どこも体は悪くないのに、数値にとらわれては薬を処方されていることもあるのではと、うがった見方は私だけでしょうか?日頃、検査のみに頼らず、自身の体が発する声を聞くことが必要ではないかと思います。
 体調がおかしいと感じたときは、自分の体のことをよく知っている主治医にみてもらう。これが大切ではないでしょうか?言い古されたことですが『自分の健康は自分で守る』、改めて周知させなければ!!

(第5地区 N・K)

 
●厚労省よ…
 

 平成21年10月から「出産育児一時金の直接支払制度」が導入された。導入前に健保連は厚労省に対し、妊婦等の負担軽減を図り少子化対策に資するとの趣旨は理解できるが、「受取代理制度」の定着をさらに進めることでよいのでは…との意見を述べている。一方、産科側は未収金対策の側面も意識し制度導入に賛成との意見であった。
 その後「直接支払制度」の導入にあたって「受取代理制度」は廃止された。それが、この4月から復活するという。理由が直接支払制度により産科への入金に時間を要することへの措置とのこと。開いた口がふさがらない。そんなことより全額保険者負担となっている産科医療補償制度への保険料名目の3万円アップ分を見直すことが先ではないか。
 その他にも最近目立つのが、例えば「任意継続被保険者の前納保険料に関する取り扱い変更」「嘱託として再雇用された被保険者資格の取り扱い変更」「定時決定における保険者算定の取り扱い変更」…等々。時代の変化にともない取り扱いを見直すことはあり得るにしろ、過去の取り扱いを受けた人からの苦情処理も発生し現場は混乱するばかり。年金の問題もそうだがなんでもありかとも感じられる。法の趣旨をしっかり踏まえ、外圧によって小手先の取り扱い変更を繰り返すのはやめてほしい。厚労省よ、しっかりしろ!

(第6地区 М・М)
 

 
投稿規定
「言わしてんか!聞いてんか!」
500字以内。手書き、ワープロ自由。見出しも付けてください。原稿を添削する場合があります。
イラスト、写真も歓迎します。
原則として、投稿者の「所属組合名と実名」を掲載。匿名希望(イニシャル)の場合も、原稿には「所属組合名と実名」を明記してください。
原稿は地区会の広報委員へ送ってください。
問い合わせは、健保連事務局・宗像(06-4795-5522)へ。