広報誌「かけはし」
 
■2011年1月 No.472

健保連 大阪連合会会長  安藤 力

 新年あけましておめでとうございます。皆様には健やかに新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
 昨年のわが国のできごとを顧みますと、政治経済面では、首相の交代、内閣改造、沖縄・尖閣・北方領土の問題、円高による6年ぶりの為替市場介入など、混迷がみられた年ではなかったかと思います。また社会面では、口蹄疫被害、大阪地検証拠改ざん、向上しない新卒者の就職内定率の問題など、将来の日本に若干の不安を抱かせるような年ではなかったかと思います。一方では明るい、元気のでるノーベル化学賞受賞や小惑星探査機「はやぶさ」の帰還などの話題もありました。
 今年も明暗混じり合った一年になる感じもしますが、いずれにせよ、この日本が将来に向けて明るい展望をもてるような年に、と心から願いたいものです。
 さて、健康保険組合の財政運営はますます厳しい状況を迎えています。大阪での財政状況をみると、平成21年度決算では、81%の健保組合が赤字計上せざるを得ず、赤字額は660億円となり、20年度の2倍強に達しました。また、22年度予算では、さらに89%の健保組合が赤字計上しており、赤字額は1000億円にも達しようとしております。各健保組合の方がたのご苦労が続くわけで察するに余りあるものですが、大阪連合会は皆様と今後も緊密な情報交換をしながら一致団結をして、この状況を少しでも改善できるように力を合わせてがんばっていきたいと思います。
 ところで、高齢者医療制度改革会議において、昨年末に最終とりまとめが行われましたが、はなはだ多くの問題・課題を積み残したままの結果となりました。とくに公費負担においては、私どもが強く主張していた観点からはほど遠い内容であり、健保連としてはとうてい受け入れられない最終案でした。今後、社会保障制度全体あるいは税制改革などとの関連で議論が深められるようですが、私どもはその動向を十分注視し、かつ議論にも積極的に加わって、健保連の主張が各方面の方がたに理解をいただけるようにしていきたいと思っております。昨年の健保組合全国大会で決議した三つのスローガン、@高齢者医療制度に対する公費投入の拡充と安定財源の確保、A保険者機能が十分に発揮できる医療保険制度の確立、B健保組合方式維持のための財政支援の充実・拡大―をベースに、今年一年その実現に向け、邁進する所存です。
 今年は、わが国の誇る国民皆保険が発足して50年の節目の年にあたります。将来にわたりこの制度が健全運営されるためには、ここ1〜2年が正念場と思います。700万人近い団塊の世代と呼ばれるかたは、まもなく65歳を迎えられることとなり、高齢化はますます進展します。国民皆保険を守るために、高齢者の方がたにも応分の負担をお願いしつつ、広く国民から納められた公費を拡充し、若年層にかかる過重な負担を軽減させていくことが必要です。
 私ども大阪連合会は皆様と十分なコミュニケーションを図りながら、各団体、各都道府県連合会とも情報交換をして、われわれの主張が反映されるよう活動を展開していきたいと考えております。皆様がたのますますのご支援、ご指導を心からお願い申し上げます。
 最後に、皆様およびご家族様のご健勝とご多幸を祈念し、新年のあいさつとさせていただきます。