協会けんぽへの国庫負担の肩代わり案に反対する(決議) |
今般、政府が実施しようとしている、いわゆる「協会けんぽ国庫負担の肩代わり案」は、本来、国が責任をもって行うべき協会けんぽへの国庫負担の増額を健保組合等に肩代わりさせるものであり、こうした理不尽な負担増は受け入れることはできない。
また、現行の高齢者医療制度について、その改革の議論が始まったばかりの段階で、支援金の負担の変更という制度の根幹にかかわる変更が、一方的に、しかも財源捻出のためだけの一部分の手直しとして出されたことも到底納得いくものではない。
健保組合は、いま、高齢者医療制度の負担増により、財政的にたいへん厳しい状況におかれている。当健康保険組合でも、高齢者医療の支援金・納付金に多くの金額を拠出しており、今後の制度見直しのなかで負担の適正化を求めているところである。
健保組合は、協会けんぽ国庫負担の肩代わり案に対して、全国の健保組合とともに断固反対する。 |
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国庫負担「肩代わり」法案に反対する(声明) |
(平成22年2月12日 健康保険組合連合会 会長) |
政府は本日の閣議で、協会けんぽの後期高齢者支援金に対する国庫補助を健保組合等に「肩代わり」させる案を決定し、国会に提出した。健保組合と健保連の反対にもかかわらず同法案が提出されたことに強く抗議し、改めて反対を表明する。
法案では、「肩代わり」による健保組合の負担増が当初案の1400億円から500億円に減額された。しかし、問題は金額の多寡ではない。高齢者医療制度改革会議の議論を待たずに制度の根幹を一方的に変更すること、協会けんぽの後期高齢者支援金に対する国庫補助を減額して健保組合等に「肩代わり」させること、さらにはその財源を本来国の責任で確保すべき協会けんぽの給付費等に対する国庫補助に充て、予算のつじつまを合わせることに「理」がないことは明らかである。
労使で組織し民主的・効率的に運営する健保組合は、わが国の医療保険制度において先駆的な役割を果たし、多額の拠出金を負担して高齢者医療を支えてきた。われわれは、高齢者の医療費を負担することにやぶさかではない。医療保険制度を効率的に運営しつつ、高齢者医療制度を含む制度全体を安定的に維持するためには、公費負担の拡大が必要だというのがわれわれの主張である。
不合理な負担転嫁による予算のつじつま合わせが繰り返される根本的な原因が財源問題にあり、社会保障、とりわけ高齢者医療の安定的財源を確保するための税制改革が必要であることは論をまたない。
国会においては、財源問題を含めて与野党で真摯な議論を行い、医療保険制度の将来を見据えた賢明な判断をするよう期待したい。 |