広報誌「かけはし」
 
■2009年5月 No.452
健保問答 

第 343回

     
Q
 被保険者が嘘や不正行為により、傷病手当金又は出産手当金の支給を受けようとしたことが分かった場合、保険者はどうすればよいのでしょうか。


A

 保険者は、偽りその他不正行為により保険給付を受け、又は受けようとした者に対して、6月以内の期間を定め、その者に支給すべき傷病手当金又は出産手当金の全部又は一部を支給しない旨の決定をすることができます。(健康保険法第120条)
 「6月以内の期間を定め」とは、6月以内の支給期間を定めという意味ではなく、何月何日から向こう何カ月間は支給しないという給付制限の期間を定める意味です。そして、保険者は、文書で、一定の期間の給付制限の理由を付記して通知しなければなりません。(規則第112条)
 ただし、支給制限はその者にとってはその受給関係を常に不安定な状態におくことであり、適当と考えられないので、偽りその他不正の行為のあった日から一年以内においてのみ支給停止の決定を行うことができます。