広報誌「かけはし」
 
■2008年12月 No.447
投稿 言わしてんか!聞いてんか!
   
●接骨院等の療養費支給適正化について
 

 数年前から自宅界隈で、新しい店舗の改装工事をしているのをよく見かける。なにができるのかなぁと思っていると、接骨・整骨院の新しい看板が…開院のなんと多いことか。
 最近一部の新聞が、この接骨院等の問題をよく取り上げている。まず柔道整復師養成学校で無資格教員による授業が横行しているという報道があった。この10年間で養成学校は7倍に急増しているため、教員不足から無資格教員が増えた。また、本年の国家試験合格者も10年前の5倍近い5069人が合格、接骨院等の施術所も10年で4割強増えて3万カ所を超えているという。
 不正請求も報道されている。患者の2人に1人が3カ所以上のケガをしていたとして保険請求されていることが、厚労省の調査でわかった。3カ所以上の請求率が一番高いのが大阪府で8割を超えているそうだ。1人当たりのケガ数が不自然なほど多く、「保険のきくマッサージ施設と勘違いしている利用者をケガ人として扱い、不正請求する柔整師が多いことをうかがわせる」との声が業界内からも出ているという。
 当組合でもここ数年、柔整療養費の件数が増える一方で、対策は講じているものの、こうした実態を聞くと、受領委任をなくせば利用者も激減すると思うが、ともかくいまは行政の厳しい監視と審査制度の確立が急務ではないだろうか。

(第1地区 S・Y)

   
●健保連よ 主導権を!
 

 今回の医療制度改革関連法案が成立した平成18年6月、健保連はこれを条件付きではあるが歓迎した経緯がある。
 その後、この改革は6年間で7段階の工程でスタートしたものの、本年4月から改革の本丸として実施された「新たな高齢者医療制度」とりわけ「後期高齢者医療制度」への風当たりは、国会でのねじれ現象による民主党等の攻勢とマスコミの一面的な過熱報道により予想を超えた不満と混乱のなかで現在にいたっていることは、すでにご承知のところである。
 このため、いまの麻生内閣においては首相自身の制度見直し発言や、舛添厚労大臣にいたっては制度の見直しに加えて、ご丁重にも「県民健康保険」という私案まで示していただき混乱に拍車をかけているところである。
 まさに、与野党、衆院解散総選挙を前に国民にとってのセーフティーネットである医療制度を政争の具として喧喧諤諤の議論を繰り広げているところである。
 したがって、健保連もこの際「制度の骨格を残し、前期高齢者医療制度へ公費の投入を」といった当面実現性に乏しい要望は捨て置き、この政局を利用して、少なくとも改革前後で4000億円以上負担が増え、90%以上の組合が恒常的な赤字に陥るようなこの高齢者医療制度に「NO」を突きつけ、もう一度、新たに独自の案(世代間の負担に対して納得性、公平性、透明性のある、突き抜け方式65歳以上の高齢者を対象とした独立方式等)をぶち上げて主導権を握ってみてはいかがなものか。

(第2地区 I・K)

 
●増大する医療費対策に地道な努力を
 

 本年1月からの「言わしてんか!聞いてんか!」のコーナーを読み返してみた。特定健診・特定保健指導に関する投稿が多い。真面目に本問題に取り組んでいるにもかかわらず、システムトラブルや受診環境整備の遅れに振り回され、困惑しているわれわれ健保組合の姿が浮かび上がってくる。また、高齢者医療制度や納付金等に関するご意見も多い。ここでもわれわれの努力を超えた範疇での仕組みに対する不満、国の広報不足による混乱へのお怒りの声が大きい。まさに「言わしてんか!聞いてんか!」である。
 怒りながらも、居直っているわけではない。目標達成は無理と思いながらも、特定健診・特定保健指導の浸透策に頭を悩ましている。納付金等の多さに仰天しながらも、健保財政の健全化に懸命に努めている。不満はあっても、生活習慣病対策は一定の意味があると思うからである。高齢者医療制度は前期高齢者への公費投入等まだまだ改善すべき点があるにせよ、一定の前進もあったからである。増大する医療費をどうしていくのか。未曽有の難問に対し、国はあまりに心もとなく、声をあげていくと同時に、われわれとしてできること、やるべきことに努めていきたい。

(第3地区 T・O)
 

 
投稿規定
「言わしてんか!聞いてんか!」
500字以内。手書き、ワープロ自由。見出しも付けてください。原稿を添削する場合があります。
イラスト、写真も歓迎します。
原則として、投稿者の「所属組合名と実名」を掲載。匿名希望(イニシャル)の場合も、原稿には「所属組合名と実名」を明記してください。
原稿は地区会の広報委員へ送ってください。
問い合わせは、健保連事務局・辰巳(06-4795-5522)へ。