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「選挙管理内閣」といわれた麻生新政権が発足した。
しかし10月に入っても、即時といわれた衆議院の解散ははっきりせず、解散越年論まででているが、マニフェストを聞くと各党とも耳に心地よい話ばかりである。
4月に始まった後期高齢者医療制度は1年かけて再検討するという。
確かに評判の悪い「後期高齢者医療制度」ではあるが対象の75歳以上が総人口の10%を超え、総人口の6人に1人が70歳以上という現実では、財源をどこから持ってくるかといえば、夢のような「特別会計」「埋蔵金」といわないと選挙が戦えないのもうなずける。
高齢者医療制度の財源問題を考えれば、仮に健保のOBは健保でという「突き抜け方式」に加え、国保の負担分の「リスク構造調整方式」とやらの制度となった場合でも、健保組合にとっては、決して負担が現状より軽くなるとは思えない。
海のものとも山のものとも判然としない見直し後期高齢者医療制度も、健保からの財政支援は織り込み済みのようである。民主党の主張は、前の老人保健制度に戻すという。しかしこの論議は十分尽くされた筈ではなかったか。
10月から政管健保の運営を引き継いだ全国健康保険協会(協会けんぽ)が発足した。
屋上屋を重ねるような組織がどんどんできる。
協会けんぽは都道府県単位の保険料率を設定する仕組みに改める。そうなると、同一会社の支店が都道府県で異なる場合、保険料が変わることになるのであろうか。
どの政党が政権を担うにしても耳に心地よい夢のような話に乗るわけにいかない。日本の現実を直視すれば、世界にない皆医療保険制度は絶対に死守せねばならない。
また、本年は介護報酬見直しの年にあたっている。一部の年齢層や利害関係者に迎合することなく、医療制度について、行政や政党およびマスコミは丁寧に、詳しく説明し、国民に正しく選択させないと世界に類をみない少子高齢化を迎えているわが国としては、先陣とはなりえない。制度が始まってから見直すような轍は二度と踏んではならない。
しかし、自民党総裁選中も、民主党代表選挙中も散々いわれたように、どの政党も財政的な裏付けが希薄である。
選挙対策上、即時、消費税のアップなどといえないことであろう。
しかし、それだからこそ一層社会保障制度を政争の具にしてはならない。 |
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(H・O) |
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