広報誌「かけはし」
 
■2008年9月 No.444
投稿 言わしてんか!聞いてんか!
   
●顧客満足
 

 私企業にとっては「顧客満足度」を高めることが利益につながります。「船場吉兆」の例を引くまでもなく、顧客を無視した経営は成り立ちません。健保組合の顧客は組合員であり組合員目線の健康維持・増進策を実行に移していくことが求められます。
 元官僚の堺屋太一氏は著書で顧客と供給者の関係を次のように喝破しています。「文部省は学校と教師のための役所で生徒のことは一切考えません。厚生省は医師と薬屋の味方で患者のことは考慮しません。どこの官庁でも、供給者だけが情報源であり、天下り先でもあるからです(筆者注:原文のママ)」。昨今文部科学省は学力低下・不登校・いじめ等の問題に直面しています。顧客目線を忘れた当然の結果といえます。新たな「消費者庁」構想はその揺り戻しでしょうか。
 本年4月から、全国一律の「特定健診・特定保健指導」が始まりました。システムトラブルでのスタートですが、特定保健指導については顧客の立場に立ち、最大限の効果を上げ得る施策を実行せねばなりません。
 「拠出金」・「肩代わり」でお金はいくらあっても足りない現状、安易なやり方は許されません。(メタボではないが)身を引き締めて組合の運営にあたらねばならないことを痛感しています。

(第4地区 伊逹偉佐夫)

   
●健保業務で労災?
 

社会保障「五つの安心プラン」が発表された。
しかし、すでにマスコミから、総花的、実施時期がない、財政措置の裏付けがない、実現性がない、付け焼き刃だなど批判の文字が踊っていたが、責任者はもういない。
お題目ばかり掲げてもらっても仕方がない。
ましてそれが政管健保の肩代わり問題に見られるように、他人の懐をあてにするようなお題目なら何をか言わんやである。
そもそも今回の社会保障不安の根底にあるのは、行政に対する不信である。
これを正さずしてなにが安心プランであろうか。
まだ分かっていないところもある。
「この仕事がお前の仕事だ」と言われ、きちんとできていなければクビである。
仕事がきちんとできて、貰うのが給料である。
保険料横領であれば犯罪である。
この自明の理が、なぜ通用しないのか。
今度の臨時国会で政管健保の肩代わり問題は成立するかもしれない。
残月数で割るから、月単価は増えるという話もある。
特定健診しかり。
健保組合は昨年度中に「新健診が始まります。健保の義務です」と広報した。
まだ展開できていない。
どうなっているのか─問い合わせがくる。
梯子を外され、もういや。
病気になりそう。
労災になるのかなァ。

(第5地区 H・O)

 
●特定健診の目標実施率、達成できるの?
 

 特定健診制度がスタートして半年経過しましたが、その実績は上がるばかりか、受診券発行を見合わせる状態が続いています。本事業は、80%の受診率を確保するために昨年から準備を重ね、とくに家族の方々へ重点的に広報活動を行い理解を求めてきました。被保険者は事業主健診などでほぼ全員の受診率は確保できる見込みもあり、家族に向けた事業展開が受診率確保の最大の課題だったはずです。
 ところが、健診システムや集合契約機関との調整遅れにより、家族の受診券発行が遅れ、これでは今年度目標の受診率達成はほぼ不可能です。被扶養者の受診は本人の意思次第でもあるのに加えて、このような受診環境の整備が遅れた状態が続けば、目標の受診率達成はおろか、特定保健指導の予定も立たなくなり、健保組合の取り組み姿勢が疑問視される結果にもなりかねません。
 そもそもの原因は、後期高齢者医療制度の混乱も含め、国の場当たり的な施策によるものだといわざるを得ません。一元化への動きを牽制するためにも、「特定健診」の実施目標達成も含めて、組合員の健康維持・増進のために、いまの健保組合の活動がもっとも効率的で適しているということをアピールしていかなければなりません。

(第6地区 T・K)
 

 
投稿規定
「言わしてんか!聞いてんか!」
500字以内。手書き、ワープロ自由。見出しも付けてください。原稿を添削する場合があります。
イラスト、写真も歓迎します。
原則として、投稿者の「所属組合名と実名」を掲載。匿名希望(イニシャル)の場合も、原稿には「所属組合名と実名」を明記してください。
原稿は地区会の広報委員へ送ってください。
問い合わせは、健保連事務局・辰巳(06-4795-5522)へ。