広報誌「かけはし」

■2008年8月 No.443
 7月9日、定例の理事会を開催し、中央情勢報告と大阪連合会総会付議事項等を審議した。

1、中央情勢

(1) 後期高齢者医療制度
 

 マスコミ等の批判が多い後期高齢者医療制度に対する健保連の主張を整理した。
 制度改革の基本的な骨格、理念、方向性はわれわれの主張する医療制度改革の一歩として評価できる。しかし、新制度が複雑で国民的理解が得られないので、問題点の改善と定着を政府に求める。
 給付と負担の関係の明確化、「広域連合」という運営主体設置は評価する。前期高齢者医療制度には公費を投入すべき─など。
 費用負担者の意見を反映する議論を深め、また、基礎数値の情報をオープンにし、健保組合の負担増に対する激変緩和措置の継続・拡大を厚労省へ求めていく等を確認した。

(2) 内閣IT戦略本部関係
 

 内閣のIT戦略本部の「重点計画2008(案)」に関して、健保連の意見が求められ、レセプトオンライン化に向け、医療保険者の役割機能が発揮できる環境整備が不可欠であり、「社会保障カード」は国が責任を持って基盤づくりを行うべき等を主張した。

(3) 健保連本部事業報告
   事業概要として、医療制度改革等の動向のなかで、政管への国庫負担肩代わりが提起され、反対運動を展開した。日本経団連、連合と共同で反対意見を厚労省へ提出、主要新聞に意見広告、全国大会での断固阻止決議の取り組み等の活動を行った。
 

2、 本部委員会報告

(1)

施設委員会

 

 健保会館が設立後45年で再構築を検討している。今回から委員会は、関東5人、大阪5人という構成である。

(2) 健康開発共同事業委員会
   集合契約Bの進捗状況は、支払基金本部への契約書の提出、登録は41道府県、契約本数371本である。
 集合契約Bで顕在化した問題は、システム対応の遅れから、各郡市区医師会の口座に一本化するケースが多い。国保ベースのフレームを活用した仕組みとなっているところから、受診者が質問票を持参する問題もある。
 国が示した電子的標準様式によるエラーが多発しているため、健保連が主導して統一化を図ることなどを実施機関や国等の関係機関にも協力要請している。
 集合契約Bの問題点の顕在化、トラブルにより、各健保組合は受診券の発行時期等、慎重に判断されたい。
 集合契約(A・Bタイプ)実施機関は健保連のイントラネットのみならず、ホームページで見ることができるよう要請している。
(3) 交付金交付事業委員会
   委員会で19年度決算と残金処理を確認した。
 財窮、高齢者納付金等負担軽減交付金の概算交付を行うこととし、高齢者納付金等負担軽減交付金の保険料率基準の改定等を検討した。急激な組合財政悪化に伴い、20年度交付金交付事業の緊急支援策を提案していく。解散予定組合に対する高額医療給付の交付も決定した。

3、 大阪連合会活動

(1)

広報委員会

 

 かけはし7月号の編集概要の報告があった。

(2) 大阪連合会定時総会
   総会に付議する事項について提案説明があった。
 理事会で了承を得た役員改選について、学識経験理事の総会の同意、特別顧問、顧問の委嘱、監事3組合の選出を総会に提案する。
 事業報告の説明が次のようにあった。健康保険組合をめぐる情勢として、制度改革の本格実施、後期高齢者医療制度、特定健診等の20年度スタートを控え、制度等の円滑な実施に向けた活動を展開してきた。
 政管健保への国庫負担肩代わり問題があり、財政調整一元化問題等、日本経団連、連合と連携し対応してきた。
 これらを背景に大阪連合会の活動として、政管健保への肩代わり問題は理事会で全会一致の反対を決議、関係方面に支援を要請してきた。
 義務化された特定健診等は、保険者協議会における集合契約の推進、契約について大阪府医師会との交渉等を重ねてきた。また説明会、研修会も開催した。
 広報活動や組合業務支援活動等は、委員会等で検討し、活動を展開してきた。収支決算報告についても引き続き審議し、いずれも了承された。
(3) 連絡事項
  ・25日の総会では、永年勤続者表彰の伝達式を行う。
・国保運営協議会での要請事項
 特定健診については、国保も義務付けられ、国保のみ市町村の施設を使うこともあるようだ。
 住民の8割程度が被用者保険の加入者であり、住民として、集団検診、各市町村の保健センター等の活用、保健指導も行うよう、運営協議会で議論をお願いしたい。
(4) 会長レポート
   加藤会長から「健保組合を取り巻く諸問題」として次のような所見の発表があった。
 高齢者医療制度の評価と指摘、政管の国庫負担肩代わり問題の背景や今後の見通しの意見、参考としてドイツの医療保険制度の動向など。