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林 隆正氏 |
●太さは“経口”の半分
経鼻胃カメラ(鼻カメラ)は、従来使用している経口カメラ(約10o)の約半分(約5o)の太さのファイバーを鼻から挿入し、食道や胃などを検査するものです。2002年より実用化され、健保連大阪中央病院でも昨年4月から使用を始めました。
鼻カメラは“えづく”という咽頭反射がかなり少ないので、経口カメラより楽なのは間違いありません。以前に経口カメラを受けた人の90%以上の人が、鼻カメラの方が楽だと答えています。ただし、鼻カメラは全くしんどくない検査ではありません。前処置で鼻の中に薬やチューブを入れるときに、プールで鼻に水が入ったときのような“つーん”としみるような痛みを感じることが多いです。微量のものも含めると、10人に1人ぐらい鼻出血もあります。
●経鼻胃カメラ(鼻カメラ)
の利点・欠点
鼻カメラの利点としては、@咽頭反射がほとんどなく、苦痛が少ないA検査中、苦痛が少ないので、モニター画面で患者さん自ら自分の胃を観察できるB検査中会話ができるので、気づいた点など医師に質問することができるC前処置の段階で、鼻に痛みがある場合は、鼻カメラを使って経口より挿入できる(カメラが細いので、以前の経口カメラより楽に検査できる)、などがあげられます。
欠点としては、@鼻中隔の変形や、鼻の炎症があると鼻腔が狭く、鼻からカメラを挿入することができない場合があるAカメラが細く、送気・吸引が弱いので、術者にとっては操作が若干しにくい、などがあげられます。
経口カメラに比べ細く、機器を通すスペースが狭いので、止血やポリープ切除などの治療や処置は行わず、検査(観察)に使用されます。
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