広報誌「かけはし」
 
■2008年6月 No.441
投稿 言わしてんか!聞いてんか!
   
●障害者への配慮は高齢者医療制度のなかで
 

 後期高齢者医療制度については各方面から問題点が指摘されているが、65歳〜74歳の障害を持つ方の加入問題について意見を言わせてもらいたい。
 当組合でもこれまでに該当者のほとんどが障害認定の取り下げをして後期高齢者医療制度に入らず、健保組合の被扶養者となっている。厚生労働省は認定取り消しに制約を設けているいくつかの都道府県に対して運用の見直しを要請したようだが、そもそも加入する制度を本人に選ばせるようなやり方はおかしいのではないだろうか。
 大阪府を例にとってみても、橋下知事が進める財政再建で医療保険制度とは関係なしに障害者への医療費助成のカットが検討されているが、そうなればたちまち本人にとっての有利・不利は逆転する。障害者への配慮は後期高齢者医療制度のなかで保険料の軽減や免除の仕組みをつくるのが本筋だと考える。医療費助成と保険料負担とを天秤にかけて加入先を障害者に選択させるようなやり方は社会保険制度として問題がある。
 われわれ保険者にとっても、他と比べて医療費が高いと考えられる障害を持つ人たちが健保組合の加入者となることで前期高齢者の1人あたりの医療費が上がり、保険者の努力とはなんの関係もないところで納付金が増えるということもおかしな話である。

(第1地区 A・N)

   
●新制度に一言
 

 今年の4月から実施された2つの制度は切り離して考えられない。特定健診結果に基づいた行動変容計画によって、生活習慣を改善させ、将来の高齢者医療費を抑制していこうという新制度の全体的な方向は理解できる。しかし、この制度を実行していく保険者側としては細部での問題を抱えている。昨年末段階での、健保連本部・各都道府県保険者協議会の集合契約の準備が不十分であったことから、当健保組合は集合契約とは別の独自の取り組みを選択して進めているが、標準的な費用はあってないようなもので、予想外の費用増に見舞われている。関連業界は商機とみているようであるが、メタボ市場だけを太らせることのないよう行政指導を強めてほしいものである。
 一方、後期高齢者医療制度が世間で混乱をまねいているが、広域連合や保険料決定方法の仕組みが分かりにくいなど、国として基本的なことが周知されていなかったことが、最も大きな要因であろう。当健保組合としては、早くから周知を図ってきたつもりであるが、それでも、3月の切り替え作業後、新保険証が届かないというお叱りや、新保険料はいくらになるのかといった相談が相次いだ。将来の国家体系づくりの主旨は理解でき協力もしていくが、国も、高齢者から不満が起きないような心ある対応をぜひ、お願いしたいものである。

(第2地区 M・H)

 
●国民皆健診
 

 先日30歳代の被扶養配偶者から電話があった。昨年まで毎年住民健診を無料で受けていた。今年も申し込もうとしたところ、「平成20年度から制度が変わり、国保加入の方しか健診は行わない。旦那さんの会社の健康保険組合に聞いてくれ」と言われたとのこと。
 この方の場合、特定健診は受診できないので、当健保としては人間ドック受診で一部個人負担していただくしかないのだが、「いままで無料だったのになぜ!」の一点張り。区役所では健保に言えば受診できる(?)ような言い方をされたのかもしれないが、苦情の矛先が健保に向かってしまい対応に苦慮した。
 被扶養配偶者の健診は一体誰が責任を持って行っているのだろうか。
 健保が義務化されているのは特定健診対象の40歳〜74歳のみで、39歳以下は保健事業の一環としての人間ドック、主婦健診等でカバーしていくことになるかとは思うが、それとて年齢制限、一定の個人負担を設けているところも多く、財政的に余裕のない健保もある。自治体実施のがん検診も検診目的が異なる。
 結局39歳以下の被扶養配偶者は、各健保の自主的な健診任せで、実施責任者は不在ということではないだろうか。39歳以下でも多くの方が健康上の不安を持っているであろうということを考えれば、特定保健指導よりまず、国民皆健診がさきであると思うのは私だけであろうか。

(第3地区 M・Y)
 

 
投稿規定
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