広報誌「かけはし」
 
■2007年5月 No.428
投稿 言わしてんか!聞いてんか!
   
●健康な社会とは
 

 最近、思うことは、生─老─病─死の4つのことは、避けられるものではなく、必ず経験するものであるということです。
 老いることが悪いことではなく、病気になることが悪いことではなく、死ぬことが悪いことでもない。すべて人間の知恵を超えた尊厳な事実であり、もっと謙虚に受け止めるべきものではないだろうか。
 確かに、科学も、医学も発達し、昔であれば助からなかった病人が助かることも多くなり、平均寿命も延びてきた。これは素晴らしいことである。
 ところが、それは現代社会においては医療費や年金給付の増大を伴うものであることも事実である。
 さらに、以前は個人的なもの、あるいは家族的なものであった健康づくり、両親の介護等が公的な事業となり、代金の支払いが前提となっている。
 人間の欲望には限りがなく、これではいくらその人にお金があっても国の収入があっても、足りるということはないのではないか。
 原点に戻り、何によらず自分でできることは自分でする。また、できないことがあることを認めることも大事ではないだろうか。そうなれば、もっと、肩の力を抜いて生きることもでき、本当の健康な社会になるのではないかと思う。
(第4地区 大上雄示)

   
●特定健診・特定保健指導は健保組合にとってどうなのか!!
 

 平成20年度から医療保険者に義務化された特定健診・特定保健指導について、ある健保組合の健診結果からみると、どう理解すべきものか複雑な心境になる。というのは、毎年取り組んでいる婦人科健診において、ここ2、3年、マンモグラフィー検診を積極的に取り入れたところ、従来より有所見率が3倍と、大きく跳ね上がったとのことである。
 このことは、非常に喜ばしいことに違いはないが、その結果、有所見者と判断された者は医療機関において、精密検査、治療へと移行していくことになる。悪くいえば、健診により要治療者が掘り起こされたのである。そうするともちろん、健保組合における医療費の増大は火を見るより明らかとなり、早期発見、早期治療とはいうが、その反面、健保組合にあっては医療費の適正化(抑制)が大命題である。
 そこで、後期高齢者医療支援金を、健診受診率、指導率の達成いかんにおいて、10%の加算減算となるが、費用対効果を考えると、健診に多額の費用を投入するより、なにもせずに支援金10%を納付する方が、健保組合としては得策といった問題が生じてくる。
 「国破れて山河あり」ではないが、「健保組合破れて健診あり」では何にもならないと考えるのは、私ひとりだけでしょうか。
(第5地区 A・K)

 
●杞憂?
 

 平成20年度から、全医療保険者に40〜74歳の加入者を対象とした、特定健診・特定保健指導が義務付けられました。
 そして、平成24年度に目標とすべき特定健診の実施率や特定保健指導の実施率、そしてメタボ該当者・予備群の減少率の参酌基準が明らかとなりました。
 このうち、メタボ減少率は、平成24年度で10%、平成27年度には25%が目標となっています。
 しかし、どのような行動を積み上げれば、この目標を達成できるのか、いま私達は暗中模索・苦悩しているのが現状です。
 いずれにしても、事前の十分なインフラ等の体制整備は、もちろん、必要と思います。しかし、なによりも計画途上において、全体の進行状況を常に丹念に検証・評価し、足らざる部分は補い、到達目標についても柔軟に見直していかないと、目標実現は絵に描いた餅になる畏れを持っているのは、私だけでしょうか。
 最初に定めた目標に固執し、戦場の実情に目を背け、補給計画や作戦の見直しをなおざりにし、あまたの将兵の命を犠牲にした、先の大戦のインパール作戦における大本営の大失態の轍を踏むことなく、何としてもスムーズに、私達の究極の目標である医療費適正化を、今度こそは実現していきたいものです。
(第6地区 無駄口)
 

 
投稿規定
「言わしてんか!聞いてんか!」
500字以内。手書き、ワープロ自由。見出しも付けてください。原稿を添削する場合があります。
イラスト、写真も歓迎します。
原則として、投稿者の「所属組合名と実名」を掲載。匿名希望(イニシャル)の場合も、原稿には「所属組合名と実名」を明記してください。
原稿は地区会の広報委員へFAX等で送ってください。
問い合わせは、健保連事務局・辰巳(06-4795-5522)へ。