広報誌「かけはし」
 
■2006年8月 No.419
投稿 言わしてんか!聞いてんか!
   
●生活習慣病・予防健診の義務化について
 

 医療制度改革関連法が6月14日に成立し、医療費適正化の総合的な推進を行うなかで、保険者に対する一定の予防健診の義務が課せられることとなった。
 20年度から保険者に義務づける40〜74歳の被保険者と扶養家族の健診・保健指導について、厚労省は18年度の準備事業を今秋に開始する予定であり、これに続き19年度は全保険者が参加する事業に移行させるようだ。実質的には1年前倒しの取り組みとなるのだろうか。
 生活習慣病患者・予備群の減少を推進するというその考え方は、大変結構なものであるが、それを現実に運営していく方にとっては、大変な労力とコストの負担が大きくなると言わざるを得ない。
 まして、被用者保険の被扶養者は従来から、さまざまな要因があるものの健診受診率が大変低く、これを上げるのは並み大抵ではない。
 今後、データの管理、また保健指導の取り組み、さらには計画と改善度合いのデータ分析等を考えると、運営面で柔軟な取り組み・対応が図れるような具体策と指導を切に希望する。

(第1地区 H・S)

   
●超高齢社会を迎えて
 

 2005年の国勢調査結果によると、日本の65歳以上の高齢者人口の占める割合が21.0%で、それまでトップであったイタリアを抜いて世界一の高齢国家となった。
 医療、年金等の社会保障制度の将来を見通した改革はとどまることを許されない。
 しかし、見方を変えれば、高齢者国家イコール長寿国家でもある。世界一の長寿国家となったのであるから「ご長寿万歳」の意見も多少はあってもよいのではないかと思うが、あまりお目にかかったことがない。それどころか、某クイズ番組で「最近、大量発生して、たいへん困っている生き物は何でしょう?」の問題に「お年寄り…」と答えた等(正解は越前くらげ)、素直に笑うに笑えないような笑い話があるほど、世のなかのじゃま者扱いばかり目につくのは私だけだろうか?
 確かに私達、健康保険組合の事業運営においても、高齢者医療制度は頭を悩ます問題に他ならない。医療制度改革関連法も先般国会で成立はしたが、拠出金に代わる後期高齢者の「支援金」、前期高齢者の「調整金」が課せられ、現状より一段と厳しくなる。
 近々大量発生する我々団塊世代退職者は、今までそれなりの仕事をこなし、それなりの社会貢献は十分してきたつもりだ。超高齢社会を迎えて、お年寄りが安心して老後が迎えられる「ご長寿万歳」といえる社会保障制度の確立を願うばかりである。

(第2地区 N・N)

 
●健診・保健指導の義務化に向けて
 

 医療制度改革関連法が、6月に成立し、平成18年10月から数年かけ、実施の運びとなった。高齢者の医療費に対する支援金や調整金といった負担額は、納得しがたい面が多く不満の残る改革だったと思う。
 しかし、少子高齢化という避けて通れない構造的問題点の医療制度に対する影響を正面から取りあげた点ではある程度、抜本的な改正だったのではないかと思う。
 高齢化の影響等で今後ますます医療費が増大することは、厚生労働省の試算をまたない。医療費の適正化を推進する最大のポイントとして、従来の疾病重点の医療から、疾病予防を重視した保健医療体系への転換を図るとしているが、まさにその通りだと思う。
 平成20年4月からは、われわれ健康保険組合にも、40歳以上の加入者の健診・保健指導が義務化になり、保険者機能をいかに発揮するかが問われている。
 厚生労働省から早晩でてくるガイドラインに沿って、各健康保険組合が自健保の実情を考慮して具体的な実施要領を作成することになると思われるが、健保連としても実施に向けての環境整備を考えれば、実務的な研修会、相談窓口の充実等を早急にお願いしたい。
 残された時間は余りない。

(第3地区 M・H)
 

 
投稿規定
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