広報誌「かけはし」
  
■2006年5月 No.416

よく知って上手に運動!
〜メタボリック症候群〜
   
 4月28日トータルフィット株式会社代表取締役で健康運動指導士の梅田陽子氏による健康教室が薬業年金会館で開催されました。
 
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●動脈硬化に至る健康障害
 

 

梅田陽子氏

 肥満症や高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病は、それぞれが独立した別の病気ではなく、内臓脂肪型肥満が原因であることが分かってきました。
 内臓脂肪型肥満によって、心筋梗塞や脳梗塞などの危険性を高める複合型リスク症候群を「メタボリックシンドローム」と呼びます。
 このように肥満は、他の疾病につながりやすく、動脈硬化を引き起こす可能性が高まります。遺伝的要素、運動不足、過食により脂肪が内臓に蓄積され循環器の疾患となります。疾病は、日常生活にも大きくかかわるため自分自身の生活習慣を見直してみましょう。

●自律神経活動の働き
 

 自律神経は、自分の意思に関係なく体内環境や外部刺激に自動的に反応し生命を維持する神経です。交感神経は身体活動を高め、摂食をコントロールし、脂肪の分解と燃焼を促します。副交感神経は心拍・血圧を安定させ、心を落ち着け、リラックスさせます。そして、消化機能を高めます。運動することで、自律神経の働きが改善され、歩くなどの有酸素運動による自律神経活動が変化するという効果がでています。
 ある程度肥満になってくると交感神経の働きが悪くなってくることが分かってきています。@白色脂肪細胞から分泌されたレプチンが、交感神経活動を活性し、食欲が低下する。A交感神経が白色脂肪細胞に働き、脂肪の分解を促進する。B交感神経は褐色脂肪細胞に働き脂肪の燃焼を促進する。レプチンが分泌されることで、満腹感が得られ食べ過ぎることがありません。しかし、BMIが25くらいになってくると交感神経の働きが悪くなり、レプチンの分泌が悪くなります。満腹感がないため、いつまでも食べるという状態になります。熱再生も少なくなり、汗をかかなくなります。結果、食事・基礎・運動すべての代謝が悪くなります。体重調節には自律神経の働きが重要です。

  

●運動の効果
 

 ストレッチ、有酸素運動、筋力トレーニングをすることで@ストレス解消A血行を促進し、凝りや痛みの改善B気持ちよさ・心地よさが、運動習慣の定着につながります。
 運動は、週何回と決めなくても、できるときにできるだけしましょう。一度運動するだけで気分がよくなります。緊張・抑うつ・落胆・怒りも運動の前後で明らかに改善しています。
 現在では、食物が豊富にあります。好きな時間、好きなときに食べ物が食べられる状態です。「自分自身の心と身体の声に耳を傾ける」本当にいま自分は何が欲しいのかという状態をつくり、考えて食することが大事です。