広報誌「かけはし」
 
■2006年3月 No.414
     
   恒例の広報研究会が2月28日、薬業年金会館で開かれた。テーマは「広報文章の書きかた」で、事例研究を交えた内容だった。講師は、今年で連続3回を数える健康保険組合連合会広報部次長の近藤洋太氏。

●ネット社会の進展
 

近藤広報部次長

 今、広報文章はどう書けばよいのか。その前提としてネット社会のことを話したい。
 総務省の調べによると、16年度末で国内のインターネット利用人口は7,948万人(モバイル利用者含む)で、人口普及率では62.3%となっている。この1〜2年は上げ止まりの感はあるが、シニア層や女性の利用者が増えている。
 また、テレビに次いでインターネットの接触時間が長くなってきている。ブロードバンドユーザー(ADSL・光ファイバー)では、接触比率が20%を超えラジオ、新聞、雑誌の合計値を上回っている。

 
 
●新しいメディア、ブログ
 

 「2ちゃんねる」というブログメディアをご存じだろうか。ネット上の巨大掲示板のことで、6年前佐賀県での17歳少年によるバスジャック事件で有名になった。
 ブログ(blog)とはweb(くもの巣)+log(日記、記録)のこと。個人の場合もあるが「2ちゃんねる」のように不特定の人たちが書き込む場合もある。
 2年ほどまえ、このブログに「電車男」というハンドルネームで2カ月ほど書き込みが続き、それが口(くち)コミ情報で広がり、出版され、映画化された。「電車男」の恋愛にブログ仲間が応援するという話だが、ネット社会以前には考えられなかったことだ。
 

●増えるフリーペーパー
 

 職場のOA化が進み、いずれペーパーレス時代がくるといわれたが、むしろ紙の需要は増えている。フリーペーパー(無代誌)の発行部数は3年まえに有料購読誌を上回った。原因は若者の新聞離れと、インターネットの普及に関連があるようだ。ラジオやテレビ欄(ラ・テ欄)、求人情報など掲載のフリーペーパーが駅など随所に置いてある。紙面にはホームページアドレスが記され、ネットへの誘導、連携という意図がみえる。
 ネット社会の出現によって既存のメデイアは大きく揺れている。健保組合の広報活動も、この影響を受けざるを得ないだろう。
 このような前提で、事例研究(17例、省略)を皆さんと考えてみたい。


◆開会あいさつ
  広報委員 三好 一裕

   カネボウ健康保険組合
   常務理事
 
 社会保障改革は「年金」「介護」と続き、いよいよ「医療」の改革が正念場を迎えております。
  昨年10月、厚生労働省から「試案」が公表され、その後12月には政府・与党医療改革協議会が「大綱」をとりまとめました。
  健保連では、7月に新たな高齢者医療制度案を中心とする「提言」を取りまとめ、その実現に邁進する決意を内外に示したところです。
  「大綱」では、「試案」の考え方を踏襲したもので最大の問題点である高齢者医療制度については極めて複雑で、財政調整により突出して健保組合に負担増を求める、我々にとって大変厳しい内容のものでありました。
  今月の10日「医療制度改革関連法案」が閣議決定され国会に提出されております。予想されたことではありますが、法案の内容は「大綱」に沿ったもので「支援金」「財政調整金」および「拠出金」の法的性格を明らかにしつつ、現役世代も納得して支えることのできる持続可能な医療制度構築に向け粘り強い活動が必要であります。今後の法案審議を注目していただきたいと思います。
  本日は、健保連本部・近藤広報部次長をお迎えしております。広報事業を推進・充実するため、有意義な研究会としていただくようお願い申し上げます。