広報誌「かけはし」
  
■2006年2月 No.413

ストレスに負けないこころと
身体の健康づくり

 
〜運動&リラクゼーションの効果〜
 

 12月19日、「ストレスに負けないこころと身体の健康づくり〜運動&リラクゼーションの効果〜」と題し、トータルフィット株式会社代表取締役で健康運動指導士の梅田陽子氏による健康づくり教室が、薬業年金会館で開催されました。
 
●うつを理解する風土へ

梅田陽子氏

 近年、自殺者の増加に伴い、心のケアの重要性が叫ばれています。2000年には労働省(当時)が、セルフケア、ラインによるケアなど4段構えのケアを打ち出しました。
 みなさんの会社ではうつをどう理解しているでしょうか。偏見をなくし、うつはどういう疾患か知ること、そして対処法を考えておくことが大切です。日常的なストレスからくる不安や悲哀感などの憂うつな気分、無力感は誰でも感じますが、うつはそういった心の状態が長期間回復せず、日常生活に支障を来す疾患です。
1.憂うつな気分が1日中続き、2週間以上継続する 
2.興味の損失
のいずれかの症状が出てきたら、軽うつ症と診断されます。うつは意欲が低下していく疾患で、さらに睡眠障害、頭痛、食欲減退といった症状が現れます。こうした症状が出ている人には、ストレスの対応をしようという姿勢で接し、1〜2週間も症状が続く場合は専門医に任せるという認識で準備してください。うつの人は他人に相談せず、孤独に戦おうとする人がよくいます。自殺を企てる人が多いのも問題点です。一声掛け合える企業風土づくりが求められます。

  
●まず自分でストレス対策
 

 心の状態はからだにも信号として現れます。頭痛や目の疲れ、胃の痛み、食欲減退、手足の冷え、寝付きの悪さなど身体機能や生理機能のバランスをチェックしましょう。ストレスの信号は大脳視床下部に伝わり、自律神経系、内分泌系の2つのルートに信号を送ります。心身の様々な機能がストレスに対応し、その環境に適した心身の状態を作り出します。ストレスが適度なら気力充実、集中力向上などをもたらし、生産性を高めます。過度なストレスで心身ともに疲れ切ってしまう前に、自分でストレス対応策をとりましょう。まず、ストレスの元に働きかけ、ストレッサーをなくしたり減らすこと。もう一つはストレスを受ける自分に働きかけること。メンタルヘルスの理論を理解し、ストレスの受け止め方を変えたり、対処法を理解します。また、ライフスタイルを見直し、心身を鍛えてストレス耐性を促進します。ストレスが出たら、休養やリラクゼーション法、服薬などで早く対応することなどがあげられます。

  
●自律訓練法でリラックス
   軽運動も心身に効果的です。30分程度の軽い運動によって自律神経活動が活発になり、不安や緊張、抑うつ、怒り、疲労、混乱などを低下させ、活気、意欲を上げるという結果が得られます。そして大切なのは休息、気分転換、リラックス。自己暗示によって自分自身をリラックスさせる自律訓練法や呼吸法などで上手に休憩し、がんばれるときにがんばれる自分を作りましょう。
  
 

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