広報誌「かけはし」

■2006年2月 No.413
時評
 

保健師のプレゼンテーション能力を磨く

〜 分かりやすく伝えるコツを伝授します〜

新谷佳巳氏


 1月20日、健保連大阪中央病院で保健師連絡協議会研修会が開催され「保健師のプレゼンテーション能力を磨く〜分かりやすく伝えるコツを伝授します〜」をテーマに、オフィスクラージュ代表の新谷佳巳氏による講演が行われました。


熱意と思いやりがベースです

 プレゼンテーションとは、限られた時間のなかで聞き手の理解と納得を通じ、話し手の目的を達成する伝達方法です。
 納得を得るためには、伝えたいこちらの熱意だけではなく、相手への思いやりがベースになります。つまり、常に相手中心で考えること。「相手がどう受け取ったかが問われる」のが大前提。
 そのため、内容(中身)と伝え方が鍵を握ります。まず、一つ目の内容についてポイントは3つ。@目的の明確化A情報の吟味 B構成です。まず、何のために話すのか、相手にどうなってほしいのかを明確にします。
 次に、伝えたい事柄を目的や対象者、時間を考慮して吟味します。事例は相手がイメージしやすいものに。比喩化も効果的です。共通する項目は関連付け、その項目に「○○の現状」というようなタイトルをつけます。
 最後に、それらの情報を3本柱〔導入〜本論〜まとめ〕で組み立てます。導入は、全体の予告のようなもので目的、全体像、重要性、結論など。本論は、結論に対する理由や具体例。まとめでは、全体の要約や強調などを。話の初めには、いまから何を話すのか「○○の現状は〜」のようなものを入れ、まとめでは、「要するに〜」などの言葉を入れるのもポイントです。
 次に、二つ目の伝え方では、見た目の第一印象と単調にならないよう口調に変化をつけることが大切です。笑顔でアイコンタクトをしっかりと。背筋を伸ばしお辞儀を堂々とゆっくり目にすると落ち着いて見えます。一方的に長く話さず、問いかけを入れると注意を引きつけます。
 

あがらないコツは声に出してリハーサルを

 実際に声に出して時間を計ることをお勧めします。出だしの1分間は何も見ないで言えるようにしておくと安心です。
 当日は、まず、表情の柔らかい人、うなずいてくれる人を見て落ち着きましょう。自分がどう見られるかを意識せず、相手に関心を持ちましょう。

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