広報誌「かけはし」
 
■2005年11月 No.410
健保問答 第 301回
   
     
Q
 本誌の『言わしてんか!聞いてんか!』欄などで、「特定費用率」という言葉が出ていました。この言葉を含めて、老人保健拠出金の仕組みなど難しくてなかなか理解できません。基本的な解説をお願いします。
 
A

 老人医療を受給する高齢者のほとんどは、国民健康保険の加入者か、被用者保険の被扶養者です。保険者がそれぞれの老人医療費を負担すると、国民健康保険の負担が極めて重くなってしまいます。そこで、「どの保険者にも同じ比率で高齢者が加入している」として高齢者の数を計算し、その人数分の老人保健拠出金を支払う仕組みとなっています。
 さて、「特定費用」とは、一定の所得がある高齢者にかかる医療費です。「特定費用率」は特定費用が老人医療費全体のなかでどれくらいの割合かを示したものです。当然、高所得者が多ければ大きく、少なければ小さくなります。通常、老人医療費は一部負担金を除き拠出金と公費でまかないます。しかし、高所得者の医療費は全額拠出金でまかなうことになっている点が問題となっています。