広報誌「かけはし」

■2005年11月 No.410

 10月20日、定例の理事会を開催し、前日(10月19日)に厚生労働省が公表した医療制度改革の試案と、これに対する会長声明(健保連の対応)の内容を中心として、中央情勢報告を審議した。
 また、会議終了後、和田勝氏(国際医療福祉大学大学院教授)から、「医療制度をとりまく情勢報告」と題した講演をいただいた。

1、中央情勢

(1) 制度改革試案
 

 試案の公表があった同じ日に、会長声明を発表したことに意義があった。試案は、高齢者医療制度の内容で閣議決定より後退するなど、全体的に容認できない。
 今後の対応は、WGで論議検討し、11月上旬にまとめるとしている。
 試案では、医療費適正化計画で、療養病床における食費居住費を保険から除外するとしている等、部分的に健保連が提言した内容もあるが、保健事業の義務化、現金給付の見直しなど慎重に対応すべきものもある。
 高齢者医療制度は、前期高齢者の財政調整方式が一番の問題点で、拠出金と同じ施策であり、絶対反対である。退職者医療制度の存続も、大問題である。
 また、標準報酬、標準賞与の見直しなど慎重に対応すべき内容も含まれている。

(2) レセプト情報管理システム
 

 レセプト情報管理システムの導入について、これまでの経過、審議が詳しくまとめられた状況報告が行われた。
 15年5月の常任理事会で承認され、オープンにできない事情のなかで、本部直轄の検討委員会でシステムの具体的内容を検討してきた。制約が解かれ、17年2月に概要を中間報告として、理事会、委員会に報告し、全健保組合に知らせたという経過である。
 早期に、極力多くの組合に導入の準備をいただくことが望ましいので、理事会、委員会の承認を得て、地区説明会などを進めた。
 レセプトの原本扱い、データ項目の拡大等の厚生労働省への要望、電子媒体化の単価に関する基金の考え方等の問題があり、11月中の回答により対応する。

(3) 支払基金委託金問題
 

 委託金の水準は0.5カ月で推移してきたが、昨年0.4カ月に引き下げた。
 診療報酬の支払いもほとんど未納がなく、委託金の水準は実績からみて0.1カ月が妥当と主張して、支払基金との話し合いを続けている。

(4) ぽすぴたる
 

 ぽすぴたるの登録は、今日まで3000弱であったが、厚生労働省の協力を得て、施設基準を掲載することができるようになったので、9000病院全部が入るようになり、リニューアルオープンした。

 

2、 本部委員会報告

(1)

施設委員会

 

 議論は、大阪中央病院の建物の減価償却の扱いである。これまで、経営の安定化の優先(収支のバランス)で償却を6年延ばしてきた。借入金返済の問題もあり、旧病院の跡地問題も含めて今後どうするか、次回以降も検討を続けることとした。
 本部健保会館の老朽化の問題では、事務局に検討会を設置し、6月を目途にたたき台を作成して、今後どうするかを検討する。

(2) 診療報酬対策委員会
 

 委託金問題については、法的な性格論、水準論議がある。性格論については、歴史的な経過を専門家の意見を聴取する。水準については、二者懇、三者懇で協議を重ね、事務費単価のあり方も含め、解決を図る。
 ぽすぴたる関係では、リニューアルオープンしたが、今後も実行委員会として充実を図ることとしている。
 柔道整復師にかかる療養費制度について、厚生労働省に要望することとした。

(3) 大会企画委員会
 

 議長団は、近畿ブロック(ワコール健保)、九州ブロックに決定した。
 開催要領は、昨年と同様シンポジウムを加味する大会とすることとした。参加者の増員について、大阪連合会も協力をお願いしたい。


3、 大阪連合会活動

(1) 広報委員会
 

 かけはし10月号の編集概要の報告。

(2) 組合業務委員会
 

 業務別実務講習会、事務長研修会、個人情報講習会の開催、パソコン研修会の予定等を報告。

(3) 医療給付委員会
 

 針灸マッサージ療養費の適正化講習会、歯科レセプト点検事務研修会の開催、支払基金との事務連絡協議会の予定等の報告。