このうち、抗酸化作用はMnSODという遺伝子によって有害酸素による細胞損傷を一時的に食い止める作用。MnSODに変異がある場合は心血管疾患やがんを誘発する可能性が高くなるので、それに対応した予防策を指導します。
肥満に関わる遺伝子はADRB3とUCP1の2つ。ADRB3は節約遺伝子とも呼ばれるもので、脂肪分解能が先天的に低く、脂肪を体内に容易に蓄積します。UCP1はほ乳類の褐色細胞に存在し、余剰脂肪を分解させてエネルギー消費を増加させる遺伝子。この両方に変異があると肥満発生の危険度が高まります。
糖尿病に関係する遺伝子はMTP。これに変異があると、MTPの発現量が増加、総コレステロールや悪玉コレステロール、中性脂肪、アポリポたんぱく質が高値になり、高脂血症や肥満を伴う糖尿病の誘発危険性が上昇します。このような人は食習慣と生活習慣に特に注意が必要です。
DNA検査は、唾液の採取で調べられる簡単なもの。生まれ持った性質や将来の発病リスクの程度がわかり、より積極的な予防対策が可能になります。こうした情報を通じ、より効果的な健康へのアドバイスを行っていきたいと考えています。 |