めまいの原因疾患にはいろいろなものが考えられますが、中枢性めまいの場合、椎骨脳底動脈循環不全が一番多く、重大な疾患としては脳の血管障害や血流障害、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などがあります。
内耳性のめまいで頻度が高いのが良性発作性頭位めまい症。この原因は耳石器の障害と推定されています。耳鳴り、難聴を伴う末梢性めまいの原因疾患には、ハント症候群、遅発性内リンパ水腫などがありますが、よく知られているのはメニエール病。これは回転性のめまいや耳鳴り、難聴などの蝸牛症状が反復して起こり、脳腫瘍などの原因がないものです。ストレスによってめまいが出るといわれています。その病態は内リンパ水腫で、利尿剤を点滴して聴力の改善が認められれば、メニエール病と診断されます。治療は生活改善が重要で、血流に作用するカフェインやアルコールも控えます。また、聴力をどのように残すかも重視します。
ほとんどのめまいは内耳や脳などの障害が原因です。しかし、ストレスといった環境要因もめまいを起こす原因のひとつ。治療にあたっては環境因子を改善したり、患者さんを心理的にもフォローするような心身学的なアプローチも、大切であることを覚えておきましょう。 |