広報誌「かけはし」
 
■2005年10月 No.409
投稿 言わしてんか!聞いてんか!
   
●健保新時代
 

 政府の月例経済報告にもあるように景気は緩やかに回復しつつあるというが、厚生年金保険料や所得税の負担増でサラリーマンの可処分所得はなかなか増えそうにない。そうしたなかで、両親の扶養申請、ならびに学校を卒業して定職に就かない、いわゆるニートやフリーターという高年齢の子女の扶養の延長が確実に増えており、組合の負担増の一因となっている。実質的な扶養の実態が伴っていない扶養申請が増えつつあるように思え、扶養申請の審査にも時間を要するようになった。
 被保険者本人の傷病手当金の申請も従来の病気という概念だけでなく、仕事、人間関係といったのなかから生じる「ストレス」に起因する心・身両方の疾患の申請が増えつつあり、いくつかの事業所に聞くと予備軍が控えている実態にも衝撃を受けている。
 複雑で多様な各種申請への対応、多様なメンタルヘルスケアの費用と効果等々、考えることはたくさんあり、健康保険組合も従来の常識だけにとらわれず根本的に考え直さなければならない時期が到来していることを痛感する今日この頃である。

(第1地区 F・S)

   
●老健拠出金の算出式はこれでいいのか!
 

 平成14年に見直された老健拠出金について、老健対象者の70歳から毎年1歳ずつ移行し年齢が75歳となり、公費負担も段階的に引き上げ5割となり拠出金の負担は軽減されると思っていた。見直しのあった翌年の平成15年度は、当組合も驚くほど下がったが、その後は逆に上昇した。
 その原因は特定費用率だった。健保連発行の【健康保険】平成17年4月号に掲載された「医療保険統計入門」第13回に、特定費用率の影響についての解説どおりで、当組合もこの影響を受け拠出金が大幅に上昇した。
 特定費用率分の給付費になぜ公費負担が付かないのか。理由が分からない。
 このため財政のよい健保はよりよくなり財政の悪い健保はより悪くなっているように思う。
 ちなみに当組合は平成16年度概算老健拠出金の特定費用概算見込率は28.4・・・%である。特定費用率だけで健保平均6%との差がどれだけあるのか単純に数字を当てはめて計算してみると約9,600万円もあった。
 このような健保が解散に追い込まれ政管に移行していけば、政管の赤字は増え公費が使われる。そうなると、健保の公費負担を下げ、結局回りまわって財政のよい健保に負担がかかることになるのではないか。
 それより、このような健保が将来健全運営ができるような対策をしていくことが健康保険組合全体の発展につながるのではと思う今日この頃です。

(第2地区 T・I)

 
●扶養認定についての疑問
 

 郵政民営化の是非を問うた衆議院選挙は小泉自民党の圧勝となった。次の構造改革の最優先課題は社会保障改革になるべきである。
 本格的な高齢社会を迎え、06年度には診療報酬改定など医療制度改革が予定されているだけでなく、増え続ける医療費の抑制策として経済指標に連動させて伸びを抑える「総額管理」の導入が議論されている。
 また、近年少子化が社会問題になっている一方で、ニートやフリーターといった定職に就かない若者が急増している。これら就労可能年齢に達した子女を持つ親がいつまでも彼らを扶養し続けている現状でよいのか。
 健康保険法では、被保険者の収入によって生計を維持しているものは被扶養者として認定することになっている。身障者などの社会的弱者または勉学過程にある者は別として、これらのニートやフリーターと呼ばれる人達は、適当にアルバイトなどをして収入を確保しているのであるが、所得証明にはその実態は出てこない。これが20歳を超えて30歳代になっても続くのが現状である。ただ我が子可愛さだけで被扶養者にしていることに疑問を感じるとともに、健康保険法の矛盾を感じる今日この頃である。

(第3地区 N・M)
 

 
投稿規定
「言わしてんか!聞いてんか!」
500字以内。手書き、ワープロ自由。見出しも付けてください。原稿を添削する場合があります。
イラスト、写真も歓迎します。
原則として、投稿者の「所属組合名と実名」を掲載。匿名希望(イニシャル)の場合も、原稿には「所属組合名と実名」を明記してください。
原稿は地区会の広報委員へFAXで送ってください。
問い合わせは、健保連事務局・辰巳(06-4795-5522)へ。