広報誌「かけはし」
 
■2005年9月 No.408
投稿 言わしてんか!聞いてんか!
   
●光と陰の輪の中で
   季節は巡り、早いもので今年も照葉初(てりはそ)めする9月となりました。
  今宵、大阪の街は生憎の雨模様。十五夜の月を楽しむこともできずに寂しい限りですが、庭先の叢(くさむら)では秋の虫たちが思い想いの音色で鳴き交っています。
  さて、今年に入ってからの私たち健保連・健保組合関係の出来事を振り返ってみますと、大きくは二つあろうかと思います。
  一つ目は、3月に、健保連が基本的な考え方を纏め公表した三本の柱からなる「新・提言」です。日本経団連、連合にも理解を求め、連携して制度改革に取り組み、是が非でも改革の早期実現を図りましょう。
  二つ目は、6月に、介護保険等改正法が成立したことです。この改正で介護保険制度がより充実したものになることを切に願うものです。
  過去から現在、そして未来へと続く悠久の時の流れの片隅で、今この一刻に生かされていることを喜びつつ、生きとし生けるもの須(すべから)く平穏で健康であれと祈りつつ、言葉遊びをしてみました。

季(とき)は巡りて天高く 馬肥ゆる由長月(よしながつき)の 浪花の郷(さと)に佇(たたず)めば 哀しき無月(むげつ)に虫集(すだ)く

佐保姫弥生(さほひめやよい)の春霞 叡智の小舟健保連 三本柱の新・提言 現(うつつ)の実りへ漕ぎ出でぬ

水無月六月は露涼し 高齢社会の道しるべ 介護制度を見直して 来る春日の桜待つ

恵遍(あまね)く天地(あまつち)の 光と陰の輪の中で ものみな憩い健やかに 康(やす)けくあれと虚空(そら)を観る

(第4地区 光)

   
●扶養家族の保険料について
 

 厚生労働省は社会保障審議会医療保険部会に、前期高齢者医療制度の基本方針を提出したが、65歳〜74歳未満の扶養家族からも保険料を徴収する案を示した。後期高齢者や国保加入者との不均衡を是正するためとしている。
 これは64歳未満についてもいえることではないか。
 健康保険の被扶養者の制度は、旧来の家族制度を前提として考えられているが、核家族化、主婦就業者や未婚者の増加、ニート等の成人不就業者の増加、年金制度の成熟化等々により、家族制度や扶養の概念が大きく変化している。
 扶養家族の認定・検認時にいつも矛盾に感じるのであるが、夫婦共働きの場合の、子供の扶養認定で妻の方がわずかでも多ければ扶養家族として押し付けてくる。そうすると一方の保険者が医療費の全額を負担することになる。親の扶養で年金額が180万円未満の場合、同居であれば扶養の証明は要らないが、別居であれば仕送り等の証明を求めている。しかし、このご時世で親に毎月10万円以上も仕送りできる親孝行な方がどれほどいるのだろうかと、親不孝者は考えてしまう。同居の場合、本人の収入と扶養家族構成を見ると、逆に親に援助してもらっているのではないかと思えるのもある。また、同じ給料なのに独身と扶養家族が5人もいる人と保険料が同じなのかと、独り者は不満を感じる。
 扶養するということは、医療費も含まれるのであるから、その保険料も応分に負担すべきではないか。本人の保険料を下げて、扶養家族に応じて加算すべきではないか。負担率か額か賦課にあたっては少子化対策等の政策的な配慮も必要であろうし、パート社員への適用拡大で反対が起きたように、産業間の雇用構造も問題になるとは思う。
 しかし、高齢者のみならず、健康保険制度全体の負担と給付の不均衡を是正すべき時期ではないだろうか。

(第5地区 K・M)

 
●結婚式に出席して
 

 先日、ある後輩の結婚式に招かれて出席。高校生の時分から何かと面倒見てきた新郎が、ホテルの教会で、神父の「健やかなるときも 病めるときも…」との問いかけに、麗々しく「はい、誓います」と答える姿に、「ああ、この子も大人になったんだな」と少し感動を覚えた。
 その直後の披露宴。同僚の“祝いの出しもの”つられてビールの一気飲みを繰り返す新郎。新婦のお色直しの間も、注がれるビールを片っ端から飲み、宴が終わる頃には、すっかり足元もおぼつかない。さらには、二次会でも飲み続け、次の日は二日酔いで苦しんでいたとのこと。
 「百薬の長とはいえど、万ずの病は酒より起れり」とは兼好法師の言葉だそうだが、これでは「健やかなるとき」よりも「病めるとき」の方が多いのでは、と心配になってしまった。と同時に、こんな普通の若者がこれから歩む第二の人生における「病めるとき」を支えていくのが、私たち健康保険組合の仕事なんだなぁと、ふと現実に引き戻された。
 とはいえ、やはり健康を保つのは、夫たる者の第一の義務。彼に限らず、私もできるだけ節制と規則正しい生活に努めなければならないと再認識させられた一日であった。

(第6地区 K・T)
 

 
投稿規定
「言わしてんか!聞いてんか!」
500字以内。手書き、ワープロ自由。見出しも付けてください。原稿を添削する場合があります。
イラスト、写真も歓迎します。
原則として、投稿者の「所属組合名と実名」を掲載。匿名希望(イニシャル)の場合も、原稿には「所属組合名と実名」を明記してください。
原稿は地区会の広報委員へFAXで送ってください。
問い合わせは、健保連事務局・辰巳(06-4795-5522)へ。