加藤会長あいさつ(要旨)
健保連ではかねてより、早期実現を強く要望してきた「新たな高齢者医療制度の創設を含む医療制度改革」の提言を3月下旬に他に先がけて公表し、その後近畿地区をはじめ、全国各地で説明会を開催して、問題点のご指摘やご意見・ご要望をお聞きして、7月22日の総会で最終提言として確認をいたしました。私は、健保連が医師会や国保中央会など他の団体より、いち早く新提言を公表したことは、意義深いものがあり、非常によかったと思っております。
我々の提案する高齢者医療制度は、ご承知のように
○65歳以上高齢者を対象とすること
○一般医療保険制度と別建ての保険制度とすること
○財源については公費5割、高齢者および若年者の保険料、患者の自己負担2割(高所得者3割)とすることを柱としております。今後、政治の場で決まる制度改革に、我々の意見がどう反映できるかに、我々健保組合の将来がかかっていると言っても過言ではありません。
また、「患者中心の医療」をどう確保するか、そのためにも医療保険制度の持続性・安定性が確保されなければならないと考えます。
医療制度改革は、社会保障審議会の医療保険部会で審議されており、健保連からは対馬専務理事が委員として出席して、新提言の説明を行うなど、健保連の考え方を強く主張して頂いております。私達としても「新提言」の内容を十分理解し制度改革の実現に総力を挙げて取り組んでいかねばなりません。
大阪連合会では、新提言についてご理解を頂くため、関経連、連合大阪、大阪府医師会等関係団体をはじめ、地元国会議員との意見交換および陳情を積極的に進めてきたところです。
さて、景気の現状については、「弱さを脱する動きがみられ、緩やかに回復基調がみられる」としておりますが、原油高など不安材料もなお残していると思われます。
大阪連合会の健保組合の状況をみてみますと、平成16年度決算見込みは、336億円の黒字となり、赤字組合も前年の50.5%に比べると60組合(30.2%)に減少しておりますが、総報酬制の導入や各健保組合の保険料率変更など、複雑な要素がからみ合った結果だと思います。一方では組合数は3組合、被保険者数は5万人強(マイナス2.8%)の減少、保険料収入に占める拠出金の割合は37%であり、急速な高齢化の進展に伴う不安定要素は依然として根強いものがあり、我々の健保組合を存続していくには、医療制度の早期改革しかないと考えております。
発表された「高齢社会白書」によりますと、65歳以上の高齢者は過去最高の2,488万人、総人口に占める割合(高齢化率)も19.5%に上昇しました。高齢化は急速に進展しており、一方少子化も予想以上に進展しております。これから秋にかけて医療制度改革の議論は本格化し、年内には新たな高齢者医療制度の姿が見えてくると思われます。
さらに来年度は診療報酬と介護報酬の同時改定の年に当たり、改定に向けての議論も始まり、今後の議論を注視して我々としても積極的に働きかけていく必要があろうかと考えておりますので、引き続き皆様方のご支援、ご協力を賜りますようお願いいたします。 |