広報誌「かけはし」
 
■2005年8月 No.407
健保問答 第 298回
   
     
Q
 健康保険の強制被保険者期間が1年以上ある者が、出産のため退職し任意継続被保険者となりましたが、その後再就職し健康保険に3カ月間加入した後、退職しました。しばらくして出産しましたが、出産給付はどのような取り扱いになるのですか。(下図参照)


 
A

 資格喪失後の出産に関する給付については、健康保険法第106条において、被保険者期間が継続して1年以上(任意継続被保険者や共済組合の期間は除く)あり、かつ、被保険者の資格を喪失した日(任意継続被保険者にあっては、その資格を喪失した日)後6カ月以内に出産したときは、出産につき被保険者として受けることができるはずであった保険給付を最後の保険者から受けることができるとされています。
 ご質問の場合は、AおよびB健保加入における資格喪失の時点からみて、いずれも6カ月以内の出産となりますが、B健保での被保険者期間は継続して3カ月しかないので受給要件を満たしていません。
 しかし、当初出産のために退職し、無職の状態であればA健保より受給できていたものが、短期間就職したため受給できないとするのは不合理ともいえます。
 ご質問の場合ですが、A健保での被保険者期間が継続して1年以上あるので資格喪失後の出産給付(出産手当金・出産育児一時金)をA健保に請求することは可能です。
 なお、出産手当金の支給額については、任意継続喪失時の標準報酬月額をもとに計算されることになります。