広報誌「かけはし」
 
■2005年4月 No.403
投稿 言わしてんか!聞いてんか!
   
●いい加減にしろ!
   少子・高齢社会を迎え、また、核家族化した現代、家族だけで老人の介護を行うことが非常に困難であり、このことが社会問題となるなか、介護を社会全体で支え、医療と福祉を一本化してサービスが受けられる介護保険制度が、市町村を保険者として平成12年4月にスタートした。
 このことに異論はない。が、その保険料の徴収方法である。65歳以上の第1号被保険者は年金から天引き、第2号被保険者である40歳から65歳未満の者のうち、国民健康保険の加入者は市町村へ直接納付。そして、被用者保険加入者分を各保険者が強制的に協力させられている。そんな訳で我々は、被保険者や事業主から健康保険料の一部であるかのように疑われながらも、やむを得ず、徴収し、介護納付金という形で納付している。しかし、介護納付金は遠慮もなく毎年、当然のように上げられるし、納付が遅れると延滞金まで課せられる。それでも、制度の充実に伴い費用が増えるのは致し方ないと、じっと我慢してきた。
 ところが、このうえ、支払基金が各保険者から集め、市町村に交付するために要する事務費(いまは国が負担)を各保険者に負担させようとする動きがあると聞いた。本来なら事務費をいただくのが筋なのに、なんで反対に負担しなければならないのか? もう、堪忍袋の緒が切れた。
 『いい加減にしろ!』
(第1地区 T・Y)
   
●介護施設における高齢者虐待に思う
   3月6日付朝刊は、2004年に行われた介護保険施設の職員調査で3割が入所者に憎しみを感じ、調査時点から過去一年間に1割強が虐待、6割が入所者をひもでしばるなど身体的拘束をしていると報じた。職員の疲労度が強いほど憎しみが増し、虐待や身体拘束をする割合が高まるという。
 介護保険施設の労働環境は、介護保険制度開始後から厳しくなっている。虐待の背景にあるのは、老人差別など内面的な問題もあるが、競争の激化から施設に利潤優先の考えが持ち込まれていることが大きいとされる。
 94年に行われた介護家族に対する調査では、35%が「憎しみを感じることがある」と答えた。介護そのものの精神的負担やストレスがどれだけ大きいか、そして老人医療費は増大する一方で介護サービスの経済基盤がいかに零細なものかを痛感させられる。介護サービスにかかわる労働力の不足にくらべ、ヘルパーなどの求人数は決して多いとはいえない。
 避けることのできない高齢化率の上昇、価値観や住宅事情の変容で「支えあう」機能を失っていく地域コミュニティ。高まる社会的ストレス。健保に携わる私たちは、これからどう向きあうべきなのだろうか。
(第2地区 S・I)
 
●健保職員としての自負と願い 
   大阪市の職員厚遇問題が毎日のように新聞に出ている。公務員に対する国民の視線は厳しい。地域経済の低迷で抑制されている民間に比べ、甘い構造になっているということだろう。
 国の財政が38兆円もの巨額の国債残高を抱え、社会保障制度の維持などのために、近い将来、消費税率引き上げなどを国民に求める前に、改革のメスを入れるのは当然のことだと思う。
 健康保険組合の財政は、一時の赤字状態から一息ついているが、毎月のレセプト請求に一喜一憂しながら、保険料の50%を医療費の支払いにあて、40%を拠出金に、残りの10%で事務費と保健事業に苦心して、被保険者と家族の健康のために取り組んでいるのが現状ではなかろうか。
 今、社会保険庁の組織改革の議論が始まっているが、年金・医療の運営に関わる問題だけに、健康保険組合にとっても少なからず影響がある。社会保険庁の職員による年金記録のぞき見問題に批判が出ているが、個人情報保護法の全面施行によって、健保職員に対する目も厳しくなるだろう。
 健康保険組合は、被保険者などの健康を預かる重要な公法人であることに自負と責任をもって、日々の業務に励んでいる。できれば、皆からもっと感謝され、信頼されれば、より仕事に生きがいを感じられるのだけれど。社会保険に関わる仕事をしている人々の共通の願いだと思う。
(第3地区 K・K)
 
投稿規定
「言わしてんか!聞いてんか!」
500字以内。手書き、ワープロ自由。見出しも付けてください。原稿を添削する場合があります。
イラスト、写真も歓迎します。
原則として、投稿者の「所属組合名と実名」を掲載。匿名希望(イニシャル)の場合も、原稿には「所属組合名と実名」を明記してください。
原稿は地区会の広報委員へFAXで送ってください。
問い合わせは、健保連事務局・辰巳(06-4795-5522)へ。